西海岸の主砲の〝拒絶〟が、低迷球団の病巣を一気にあぶり出した。米メディア「ヘビー」は22日(日本時間23日)、ジャイアンツのラファエル・デバース内野手(29)を巡る一連の代走拒否騒動が全米中に論争を拡大させていると報じた。

 発端は21日(日本時間22日)、敵地マイアミで行われたマーリンズ戦。ジャイアンツは1点を追う9回、デバースが四球で出塁すると、ビテロ監督は代走として新人のコックスを送った。ところが、デバースはベンチへ戻ろうとせず、コックスを下げるようなしぐさで采配に異議を示した。結局、デバースは交代に応じたものの、ダッグアウトに戻る際にはチームメートのねぎらいにも不機嫌な態度を見せたという。試合はそのまま1―2で敗れ、ジャイアンツは31勝46敗。今季6度目の同一カード3連敗を喫し、借金も絶望的な15にまで膨れ上がった。8月2日(同3日)のトレード期限を前に「売り手」転落が現実的となる中で、敗戦以上にクラブハウスの空気を疑わせる場面となった。

 この振る舞いにかみついたのが、東海岸のニューヨークを拠点にシリウスXMのスポーツ専門チャンネル「Mad Dog Sports Radio」や米放送局CBSスポーツ、ニューヨーク・ポスト紙でも活躍する著名なスポーツキャスター、アダム・シャイン氏だった。

 同氏は「地球上で最悪のチームメートの一人かもしれない」とデバースを一刀両断。1点差の9回に俊足の代走を送るのは当然との立場から「デバースは速いわけではない。それで断ったのか」とあきれ、ビテロ監督、さらにはバスター・ポージー編成本部長にまで矛先を向けた。

 ジャイアンツは昨季、レッドソックスからデバースを電撃獲得。10年総額3億1350万ドル(約455億円)の大型契約を抱える大砲に再建の旗印を託した。だが、今季はチーム浮上の決定打になり切れず、本人の現在地も微妙だ。打席での破壊力はなお魅力でも、足に不安を抱える状況で終盤の勝負どころに代走を送られる立場にいる。それを受け入れられない姿が全国的に切り取られたことで、問題は単なる一選手の不満では済まなくなった。

 シャイン氏は「今のサンフランシスコでは文化が崩壊している」とまで断じ、ジャイアンツのファンからSNS上で「それは余りにもこじ付け過ぎだ」などとヒートも買っている。大学球界から直接MLBに乗り込んだ1年目監督の求心力、ポージー編成本部長のチーム作り、そして3億ドル超の看板選手の振る舞い。負けが込むジャイアンツで、デバースはもはや無視できない火種になっている。