鷹の切り込み隊長が、レギュラー奪取へ一気にギアを上げてきた。ソフトバンクはリーグ戦再開後、敵地エスコンフィールドで行われた19日からの日本ハム3連戦を2勝1敗で勝ち越した。存在感を放ったのが正木智也外野手(26)だ。初戦は無安打ながら2四球で好機を演出。20日の第2戦では昨季の自己最多に早くも並ぶ7号ソロを含む3安打と爆発し、21日の第3戦でも2安打2打点と暴れた。

 22日現在、29試合に出場して打率3割7厘、7本塁打、20打点。規定打席には届いていないが、出塁率4割1分2厘は規定到達者でリーグトップの近藤の4割1分3厘とほぼ差がない。小久保監督も20日の試合後「相手投手の投げる球がなくなっている感じだった」と賛辞を惜しまなかった。

 好調の根底にあるのは、正木自身の修正力だ。交流戦中には映像を見返し、「焦ってスイングしていた」と気づいた。そこから「ゆっくり振る」イメージに切り替えて本塁打につなげると、この3連戦でも「最近、前に突っ込み気味だな」とフォームを微修正。自らの違和感をすぐ快音へ結びつけた。

 長いシーズンを戦うプロにとって、修正能力は生命線だ。直近の正木について、長谷川打撃コーチは「(特別、助言は)していない」と明かす。その上で「何か分からなかったことがあった時に必要な答えを出せるように」と観察を続け、レギュラーになるための〝絶対条件〟をこう説いた。

「自分で気づいたことを試していきながら引き出しを増やしていく。これが今年に限らず、この先にも必ず役立つ。今の状態に合わせた中でいいチョイスをして戦うことが(レギュラーへの)絶対条件。それがないと試合に出続けられる選手にならない」

 自ら気づき、自ら選ぶ。その力がなければ、短期的に結果を残せても定位置を守り続けることはできない。大卒5年目を迎えた背番号31は、3年目の2024年に80試合へ出場。昨年は左肩手術も経験しながら、引き出しを増やしてきた。正木も「なるべく多く持っていた方がいいので。悪くなった時にいろいろ引っ張り出せるようには意識している」とうなずく。

 競争の激しい鷹でレギュラーをつかむのは簡単ではない。それでも、自分の答えを自分で探し出す男は、確実にその座へ近づいている。このまま上昇気流に乗り、最後まで飛び切れるか。