人気絶頂のメジャーに、再び「空白の春」が忍び寄っている。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は18日(日本時間同日)、2027年シーズン開幕前にMLBでロックアウトが起きる可能性について、選手とファンを対象にした独自調査を報じた。現行の労使協定は米東部時間12月1日(同2日)に期限切れを迎える。21―22年の前回ロックアウトは3月上旬まで長引いた。争点の中心は、長年メジャーで導入が見送られてきたサラリーキャップ制だ。

 同サイトは2月から5月にかけ、23球団に所属する選手101人へ匿名アンケートを実施。今オフにロックアウトが起きると思うかとの問いに、80人が「起きる」と回答した。「分からない」は19人で、「起きない」とみる選手はわずか2人。ア・リーグのある投手は「ロックアウトは間違いなく起こるだろう」と断言し、ロブ・マンフレッド・コミッショナーが任期中の大仕事としてサラリーキャップ導入を狙うとの見方まで示した。

 不安は選手側だけではない。ファン約8500人への調査では、77・7%がロックアウトの影響で27年の試合が中止されると予想。試合中止となれば21・8%が「かなりの期間」MLBから離れる可能性があると答え、33・7%は中止される試合数次第とした。観客動員、視聴率、関心度が上向く中での労使対立は、球界全体の成長に水を差しかねない。

 火種は年俸構造にある。リーグ側の初期案では年俸総額の上限を2億4530万ドル(約380億円)、下限を1億7120万ドル(約265億円)に設定。選手側は強く反発しているが、ファンの57・9%は上限と下限を設ける制度を支持し、現行制度支持は38・9%にとどまった。一方で、支出格差の原因については59・9%が「支出が少なすぎるオーナー」を問題視し、「支出が多すぎるオーナー」とした15・6%を大きく上回った。

 米球界ではドジャースのような巨大資本球団と低予算球団の差が、競争バランスを巡る議論を過熱させている。ただし試合消滅の責任を問う設問では、45・3%がオーナー側、21・9%が選手側、30%強が双方と回答。ある選手は「野球界は今、非常に良い状況にある。欲のために成長を阻害すべきではない」と警鐘を鳴らした。

 人気絶頂の今だからこそMLBは「金」を巡る綱引きで、自らファンの熱を冷ましている場合ではない。