古巣のマウンドで、今度は「巨人」のために腕を振った。巨人は9日の楽天戦(楽天モバイル)に8―2で快勝。6月は2つの引き分けを挟んで5連勝で7戦無敗となり、セ2位に浮上した。先発した則本昂大投手(35)は7回途中7安打2失点、今季チーム最多の126球を投げ抜き、打線の援護も受けて今季2勝目。史上24人目の12球団勝利をつかんだ。
特別な白星への執念は、随所ににじんだ。3―0の5回二死二、三塁では平良を遊ゴロに仕留め、7回一死二、三塁では終盤にもかかわらず佐藤への直球が移籍後最速の151キロを計測。気迫をむき出しにした。「13年間やってきた仙台なんで、1イニングでも1アウトでも、1球でも多くこのマウンドで投げたいなと思ってた。途中降板にはなってしまったんですけど出し切れたかなとは思います」と充実感を漂わせた。
今季から巨人のユニホームに袖を通した右腕には、意外な〝巨人愛〟もある。開幕戦でのこと。本拠地・東京ドームで選手が守備位置へ向かう際に流れるスタジアムBGMが、アニメ「進撃の巨人」の劇中歌「Barricades」であることに、則本はいち早く気付いた。
同作品の熱心なファンだけに、同曲が使われた場面も即答。「ピクシス司令がワインを飲んで…巨人を倒しにいくところでかかる曲。リヴァイがまたかっこよくて」と長編作品の細部までピタリと言い当て、作品への深い愛をのぞかせた。
もともと同僚に薦められたアニメは何でも見るタイプ。「進撃の巨人」もまず原作漫画から入り、最新刊がアニメに追いついたところで一度中断したが、アニメ完結後に視聴を再開した。キャンプ中も1日3、4話ずつ見進めるなど、約1年をかけて全編を〝完走〟したという。
ついに〝巨人好き〟も堂々公言した。お気に入りのキャラクターには調査兵団のジャンを挙げ、「練習をあんまりやりたくないんだけど『やらなあかん!』って最後はちゃんとする感じとか、あの人間味とか自分に似てると思いますね」と笑った。
古巣・仙台で歴史的な1勝を刻んだ右腕。今度はチームの前に立ちはだかる壁を打ち破る〝進撃の則本〟として、巨人をさらに前へ進めていく。












