やはり〝片方だけ〟に収める発想には限界があった。ドジャースの大谷翔平投手(31)を巡る登板日の打撃起用という、今季最大級の懸案にデーブ・ロバーツ監督(54)が一つの答えを出した。米メディア「スポーティングニュース」は1日(日本時間2日)までに、大谷の先発登板日と打撃起用についてロバーツ監督がリアル二刀流継続へ軸足を戻したと伝えた。
迷いがなかったわけではない。5月上旬、大谷は打撃で5試合17打数無安打と苦しみ、ドジャース内では登板日に投球へ専念させる案も浮上した。実際に5月4日(同5日)の敵地アストロズ戦では大谷を打線から外し、マウンドに集中させる起用も選択された。右肘手術から投手復帰した今季は、負荷管理と最大戦力化の両立がチームにとって避けて通れないテーマだった。
だが、その慎重論を押し返したのは、やはり本人の結果だった。27日(同28日)の本拠地ドジャー・スタジアムでのロッキーズ戦。大谷は相手先発の菅野から初回に中堅方向へ424フィート(約129メートル)の先頭打者弾を放った。マウンドでも6回を無安打1失点、7奪三振、4四球、1死球にまとめ、チームも4―1で勝利。その前回登板だった20日(同21日)の敵地ペトコ・パークでのパドレス戦でも初球先頭打者弾を放ち、投げても5回無失点。2試合続けて登板日にバットでも試合を動かした事実は、打席から外す意味を薄れさせた。
同メディアは、大谷が3日(同4日)の敵地ダイヤモンドバックス戦での次回登板でも、先発メンバーに名を連ねる見通しだと指摘した。ロバーツ監督が3週連続で登板日の打撃起用に踏み切る流れとなり、この形は一時的な試行錯誤から、恒久的な基本線へ移りつつある。
大谷は投手として9試合で5勝2敗、防御率0・82。しかも打席では復調気配を示し、登板日にも試合の流れを一振りで変えている。どちらか一方に絞れば安全ではある。だが、それは同時に、ドジャース最大の武器を自ら削ることにもなる。ポストシーズンを見据えるチームにとって、打線の厚みと先発投手陣の安定を同時に押し上げる存在は他にいない。
制限ではなく、解放こそが最適解だった。投げる日に打ち、打つ日に勝つ。ロバーツ監督がたどり着いた判断は、特別扱いではなく、大谷という規格外の戦力を最も生かす現実路線である。リアル二刀流こそ、ドジャースをさらに押し上げる最強の形になりつつある。












