ブンブン振って首位まで来た燕が、細かく刻む獅子に足元をすくわれた。ヤクルトは28日の西武戦(神宮)に0―8で零封負けを喫した。

 先発の小川は7回6安打3失点と粘ったが、2番手の大道が9回に一挙5失点(自責3)。ただ、最大の痛手は投手陣よりも打線だった。6安打を放ちながら、二塁を踏むのがやっと。西武の先発・武内夏暉投手(24)に6回無得点と封じられ、反撃の形を最後までつくれなかった。

 象徴的だったのは0―3の6回だ。先頭のオスナが中越え二塁打を放ち、無死二塁。ここで1点でも返せば、神宮の空気は変わるはずだった。ところがサンタナが空振り三振に倒れるなど後続は沈黙。池山隆寛監督(60)は試合後「なかなか流れがつくれない。ランナーは出すんだけど、つながりに欠ける。相手の好守で止められた」と険しい表情を浮かべた。序盤に2点を先行されても、小川が踏ん張っていたからこそ、なおさら打線の沈黙は重く映った。

 現役時代に「ブンブン丸」の異名を取った新指揮官らしく、今季のヤクルトはバントに頼らない。思い切り振り切る方針を掲げ、犠打数はここまでわずか6。昨季最下位から一転、阪神と並ぶセ首位タイに立つ快進撃は、池山流の空中戦がセ・リーグ相手にハマってきた証しでもある。

 だが、交流戦初カードで突きつけられた現実は厳しい。パ首位の西武はチーム犠打32と小技も使いながら、28日はカナリオ、長谷川の一発でも加点した。今カードでも6犠打を絡めて圧をかけ、ヤクルトは0勝2敗1分け。3試合の得点はモンテルの1号ソロ、サンタナの10号2ランによる計3点だけだった。

 一発が出れば景色は変わる。だが、一発が出なければ打線が止まる。池山監督も「戦い方というところを見つめ直してやっていかないといけないのかな」と受け止めた。振り回して勝ってきた勢いは魅力だが、パの首位相手には「粗さ」も隠せない。スワローズの快進撃は本物なのか、それとも空中戦の追い風に乗っていただけなのか。交流戦は早くも、池山燕の足元を照らし始めている。