阪神が19日の中日戦(甲子園)に7―5で逆転勝利。先発・伊原陵人投手(25)が腰部の張りで2回途中降板するアクシデントに見舞われながらも、打線が逆境をはね返し、救援陣がつないで勝ち切った。藤川球児監督(45)は「チームとして束になってかかっていくという、今シーズンのタイガースらしい戦い方ができた」と振り返った。

 言葉通りの展開だった。伊原は初回二死を簡単に取ってから制球を乱して2失点。2回には球速が約10キロも落ち、石伊に2ランを浴びるなど1回1/3を5安打4失点で交代となった。指揮官は「少しマウンド上でのパフォーマンスがあれっ?という感じでしたから」と異変を察知し「あの段階で交代が間に合ったことはよかった」と説明した。

 苦しい展開を救ったのは打線だった。6回に近本が決勝打を放っただけでなく、3番・森下、4番・佐藤、5番・大山のクリーンアップで計6打点。藤川監督も「彼らがしっかりゲームに出ることは非常に重要ですから。よくやってくれているなと。全員ですけどね」と評価した。7回に佐藤がバックスクリーンにライナーで突き刺した5号ソロはトドメの一発だった。

 投手陣も総力で耐えた。緊急登板の石黒、工藤が5回までつなぎ、6回の1イニングを三者凡退の湯浅が今季3勝目を挙げた。9回は元守護神のドリスが締めた。クローザーの岩崎は休養のためベンチ外だった中で試合を終わらせた意味も小さくない。

 藤川監督はドリスについて「プロフェッショナルな選手」と表現。ドリスはNPB通算100セーブまであと「2」。試合序盤のトラブルがブルペンに新たな選択肢を与える結果となったのは、長いシーズンを考えれば大きい。

 チームは20試合を終えて14勝6敗で貯金8。虎将自身も監督通算100勝に王手をかけた。それでも本人は「どういう形でも、ゲームをきちんと終わらせて『六甲おろし』を歌ってもらうのが一番の喜び」と虎党を思いやった。

 伊原は20日に登録抹消となる見込みで、不安材料は残った。それでも、束になってチームは最後に勝ち切った。開幕から中日戦6連勝は球団史上初。最下位に沈むチームとの総合力の差をまざまざと見せつけた。