見えてきたのは、不振そのものではなく打席の〝設計図〟の書き換えだろう。米メディア「スポーティング・ニュース」は、ドジャースのカイル・タッカー外野手(29)に起きている「大きな異変」をクローズアップした。焦点となったのは、打撃成績の見栄え以上に、初球への対応だ。
タッカーは今季ここまで16日(日本時間17日)現在、18試合で67打数16安打の打率2割3分9厘、2本塁打、11打点、3盗塁、出塁率3割5分、OPS6割9分3厘。数字だけを見れば本来の水準にはまだ遠い。それでも同メディアによれば、昨季カブス時代は初球スイング率36・3%だったのに対し、今季は57・5%まで急上昇。前年比の上げ幅は同日時点でメジャー最大で、アストロズ最終年の32・2%と比べても別人級の変貌だという。
実際にタッカーは15日(同16日)、本拠地ドジャースタジアムでのメッツ戦で8回に今季2号ソロを放ち、8―2で勝利したチームの快勝劇を後押しした。この日までの時点で右翼手として17試合に出場。新天地での役割は明確でドジャース打線の上位に入り、好球を待つだけでなく仕留めるべき球を先にたたく方向へと踏み込んでいる。
もちろん、積極策が完全にハマっているとは、まだ言い切れない。MLB公式サイトによれば、タッカーの三振率は同日時点で昨季14・7%から22・7%に上がっており、ボール球の追いかけ率も17・6%から23・2%へ悪化していると伝えている。
しかし、ドジャース移籍後のタッカーに起きているのは、単なるスランプではない。打てる球を見逃さず、早いカウントで主導権を奪いにいく――。これまでのカブス時代まで貫き続けてきた打席の哲学の変更こそが、いま最も注目すべき「マイナーチェンジ」と言えそうだ。












