阪神は9日のヤクルト戦(甲子園)に2―0で7回雨天コールド勝ち。首位攻防カードで2勝1敗と勝負強さを見せつけ、開幕から4カード連続勝ち越しを決めた。

 主役は高卒4年目右腕・茨木秀俊投手(21)だ。プロ初先発ながら6回96球を投げて5安打無失点の粘投。待望のプロ初勝利をつかんだ。「本当にうれしい気持ちが1番大きいです。頼もしい先輩方がいるので楽しんで投げようと思っていました」と笑顔をはじけさせた。

 初回は先頭・長岡に左前打を許すなど、ボールが高めに浮く場面も目立ったが後続を断って無失点。圧巻だったのは2点リードの6回だ。豪雨が降りしきる中で二死満塁の大ピンチを招いたが表情一つ変えず、最後は大きく変化するチェンジアップで代打・宮本を空振り三振。スタンドを埋め尽くした虎党からは大歓声が送られた。

 藤川球児監督(45)も若虎の快投を手放しでたたえた。「本当にうれしい。素晴らしい投球、気の強さを見せてくれた。上の世代もしっかりしている中でチャンスがなかったと思いますけど、地道に鍛えてきたのが今日出てくれましたね」

 茨木はドラフト同期で同学年の〝秘蔵っ子左腕〟門別啓人投手(21)と比較されることも少なくなかった。2024年の春季キャンプでは〝門別のキャッチボール相手〟として一軍スタート。昨季は門別が先にプロ初勝利を挙げ、その姿に「負けたくない」と闘志を燃やしてきた。

 それでも腐ることなく鍛錬を重ね、今季ファームでは2試合で9イニング1失点と結果を残して一軍切符をつかんだ。門別が先発5戦目でプロ初勝利を手にしたのを上回り、初先発で白星をゲット。

 首位攻防カードという大一番でつかんだ価値ある初白星に「やっとスタートラインに立てました」と実感を込めつつ「一軍で活躍し続けるような選手になりたいです」と力強く語った。

 虎の最強先発陣に割って入った高卒4年目右腕が、ポーカーフェース投球でスター街道を歩み始める。