【目撃】思わず周囲が目を丸くする柔軟性だった。2日、京セラドームで行われたDeNA戦の試合前。グラウンドでウォーミングアップに入った阪神ナインの中で、嶋村麟士朗捕手(22)が見せた〝驚異の股割り〟がひときわ目を引いた。
ストレッチを始めた嶋村が大きく足を広げ、上体をゆっくりと倒していく。そこへ、ルーキーの岡城快生外野手(23)がいたずらっぽく背後から接近。ヒザで背中を軽く押し込むと、嶋村の体はそのままペタリと地面に吸い付くように落ちた。
その姿は、まるで相撲取りの股割りさながら。並外れた柔らかさに岡城は思わず笑みを浮かべ、そばにいた福島圭音外野手(23)も驚いた表情を見せた。試合前の緊張感が漂うグラウンドに、一瞬だけ和やかな空気が広がった。
もっとも、ただのじゃれ合いで終わらないところが、この場面の面白さでもある。嶋村は今季、育成契約から支配下登録を勝ち取った苦労人。厳しい競争をくぐり抜けてきた若虎捕手が、こんな意外な「隠れた長所」まで持っていたとなれば、周囲がざわつくのも無理はない。
試合前の何気ないひとコマながら、そこには若手同士の距離の近さと、今のタイガースに漂う空気の良さがにじみ出ていた。
(ペン&カメラ・北川智康)












