ドジャースが21世紀初となるワールドシリーズ3連覇に向け、フロリダ州グレンデールで春季キャンプを行っている。
昨年も頂点に立てたもののブルージェイズとの戦いはまさに紙一重。最後は王手をかけられた状態から2連勝を飾る底力を見せたが、幾多の奇跡が重なって生まれたものだった。その一つが延長18回、試合時間6時間39分に及んだ末に勝利した第3戦。フリーマンのサヨナラソロで決着するまでプレーボールから攻守で出ずっぱりだったのが、ウィル・スミス捕手(30)だ。
通常の試合の2試合分のイニング数を一夜でこなしただけでなく、大舞台の上に8回以降は両チームとも無得点。後攻とはいえ、1点も与えたくない張り詰めた展開の中、配球を組み立てや瞬時の状況判断を求められた。しかも捕手の特性上、しゃがんだ体勢を避けられないため、肉体的にも精神的にも想像を絶する負担となった。
16日(日本時間17日)に放送された「MLBネットワーク」の番組「ホットストーブ」に出演したスミスは「ワールドシリーズは本当に疲れ切ったよ。特にあの18回の試合はね」と苦笑い。そして疲労困ぱいとなった試合後は「正直、何も考えられなかったんだ。点滴を受けながら、ただ生き延びることに必死で。サバイバルモードだったんだ」と舞台裏を打ち明けた。
その後、チームはドジャー・スタジアムでの第4、5戦に敗れ、窮地に立たされた。それでも敵地のトロントで巻き返してみせた。その最終第7戦の延長11回に決勝弾を放ったのもスミスだった。「あの2試合(4、5戦)に勝てればよかったけど、残念ながらトロントに戻る必要があった。でも、結局は優勝できたから本当によかった。それだけの価値はあったよ」と満足げに話した。
「基本的に11月は何もしないで完全に休む。12月に入ってトレーニングを再開して1月にまた(野球の)練習を始める。そういう感じ。もうルーティーンみたいなもの。これでうまくいっている」
思考が停止し、身動きも取れないほど疲れ果てた心身はすっかり回復した様子。ワールドシリーズでは山本が〝中0日救援登板〟などの離れ業をやってのけてMVPに輝いたが、米メディア「クラッチ・ポインツ」は「ドジャースがブルージェイズを破ってワールドシリーズを制した際、捕手のウィル・スミスほど称賛に値する選手はほとんどいなかった」とたたえている。












