日本の「怪物」が韓国の標的となるのか。

 韓国メディア「OSEN」が11日、3月開催の第6回WBC1次ラウンドで日本代表・侍ジャパンの山本由伸投手(27=ドジャース)が韓国戦先発に回る可能性を報じた。1次ラウンドC組の日本対韓国が3月7日に東京ドームで組まれており、同メディアは日本戦で難敵・山本と対峙することになると警戒心をあおっている。

 侍ジャパン側はプール首位での突破へ、序盤から最強格をぶつけてくる――というのが同メディアも含め韓国側の分析のようだ。山本のみならず左腕・菊池雄星投手(34=エンゼルス)も韓国または台湾戦で起用される可能性も伝えられており、韓国打線にとっては「どちらが来ても難題」という構図になる。

 山本はドジャース2年目の昨季も12勝8敗、防御率2・49、奪三振201と、メジャーのトップ層に入り込む活躍を見せた。昨秋のワールドシリーズでは第2戦先発で完投勝利を挙げ、第6戦先発と第7戦での連投リリーフもこなすなど計17・2イニングを投げて3勝0敗、防御率1.02を記録し同シリーズMVPに選出。この日本が誇る屈強右腕が日韓戦のマウンドで立ちはだかることになれば、韓国にとってはとてつもない「壁」となる。

 それでも韓国が今まで以上に「打倒・日本」へ周年の炎を燃やす理由は、数字が物語る。代表レベルの直接対決で、韓国が日本に最後に勝ったのは2015年11月19日(東京ドーム)で行われた第1回プレミア12の準決勝。9回に4点を奪って逆転勝利を果たした同試合以降は「1分け10敗」という重い鎖によって、がんじがらめに縛られている。

 今や日本の「最強エース」と目されている山本は韓国にとって「最悪の相手」であると同時に、逆の見方をすれば「最高の試金石」でもある。仮に三振の山を築かれても、次につながる――。あるいは、どこかに攻略の糸口があると言い聞かせながら反撃のチャンスをうかがう――WBCの日韓戦で韓国代表の面々は、そのように言い聞かせなければ確かに「10年越しの呪縛」は解けないだろう。

 同メディアが日韓戦での「注目の存在」として挙げているのが、主将格の李政厚外野手(イ・ジョンフ、27=ジャイアンツ)に加え、金倒永内野手(キム・ドヨン、22=KIAタイガース)、そしてパワーを売りにする若手の安賢民外野手(アン・ヒョンミン、22・KTウィズ)だ。特にイ・ジョンフは2021年8月4日の東京五輪準決勝・日韓戦で相手先発の山本から2安打を放っていることから、同メディアも「韓国打線最強の打者として名を馳せた」と評し〝切り札〟として推している。

韓国が誇る最強打者イ・ジョンフ(ロイター)
韓国が誇る最強打者イ・ジョンフ(ロイター)

 150キロ台中盤の速球や落差の激しいフォーク、変幻自在の変化球を駆使する山本が日韓の宿命対決で先発登板するならば、韓国の目標は単純明快だ。「攻略」ではなく「証明」することへの意識――。10年分の負けぐせを断ち切る一打を、東京ドームでたたき込めるのか。標的にされた日本の怪物右腕が、再び韓国の希望を丸ごと飲み込むのか。WBC1次ラウンドの日韓戦は、緊迫した空気が充満することになりそうな気配だ。