ドジャース・大谷翔平投手(31)が21世紀初となるワールドシリーズ3連覇の偉業に挑む。昨年まで3年連続でリーグMVPに輝き、今年は3月に開催されるWBCに日本代表として出場し、長い1年間をスタートさせる。ただ、野球の枠を超えた世界的スーパースターとなった今も実態は謎だらけ。その中でも大谷を追い続けてきた人物でも全くつかめない〝最大のミステリー〟とは――。
大谷が世界最高の野球選手であることに疑いの余地はないが、同時に世界最高レベルのベールに包まれている。しかも、長年にわたって〝密着〟してきた人物でも全貌をつかみ切れていない。
今年新設された米紙「カリフォルニア・ポスト」のコラムニスト、ディラン・ヘルナンデス氏もその一人だ。これまでは「ロサンゼルス・タイムズ」の番記者として大谷の取材を続け、最も間近で大谷に迫ってきた。
しかし、ポッドキャスト番組「ザ・ショー」に出演した際「野球界で最も重要な人物でありながら、最も素顔が見えない選手」と告白。ヘルナンデス氏は英語はもちろん日本語、スペイン語の3か国語を操れるベテランだ。コミュニケーションに支障はなく、日本ハム時代の大谷がアリゾナで行われたキャンプに訪れた2017年に初めて言葉を交わした。その後、日本にも足を運んで地元で取材を重ね、実に10年近く大谷を追いかけてきた。
それでも「彼と知り合ったこの長い時間の中で、『人と人』として会話をした感覚は一度もなかった。常に『アスリートと記者』の関係。それは本当に珍しい。正直、他の日本人選手では一度もなかったことだ」と驚きを隠せない。
現場で長く顔を合わせていれば、いつしか何となく心の距離は縮まるもの。ヘルナンデス氏も山本(ドジャース)やダルビッシュ(パドレス)ら日本選手から「英語の記事を書いてほしい」と頼まれたこともあった。だが、大谷はそうした関心を一切示したことがないという。
それだけに「日本語を話す僕は結構面白いと思うんだけど…。それでも全然反応がないんだよ」と冗談交じりに語り「だから正直なところ、彼のことは全然知らないんだ」とお手上げ状態だ。
なかでも〝最大の謎〟はオフシーズンだ。日本でもMLBでも選手個々の自主トレの模様が伝えられるが、大谷はというと…。
「僕が知る限り、誰も彼のトレーニングを見たことがない。高校卒業以来、ずっと取材しているベテラン記者に聞いても誰も見ていない」
確実に何らかの練習をしているはずだが、どこで何をしているかは不明だ。オフに入り、ドジャー・スタジアムのグラウンドで愛犬のデコピンと遊ぶ姿が目撃されたものの、情報はあくまでも断片的。にもかかわらず、誰にもマネできない投打二刀流で大暴れする。ヘルナンデス氏は「どれだけ努力しているかなんていらない。〝結果だけで判断してくれ〟って言っているんだよね」と敬意を表した。
「彼は本当にミステリアスな存在だ。こんな選手、今まで見たことがない。近い存在を挙げるなら、リオネル・メッシだろう。多くを語らず、ただ結果だけを出し続けるタイプだ」
大谷が活躍を続けるほど、謎はますます深まりそうだ。












