ヤンキースは28日(日本時間29日)、ロッキーズから救援右腕のアンヘル・チビリ投手(23)をトレードで獲得し、強力なブルペン補強に成功した。
その交換要員として一塁手の有望株であるTJ・ラムフィールド内野手(25)を放出。優勝を見据えた即戦力補強を進める一方で、将来とのバランスを巡る課題も浮き彫りになりつつある。
今オフのヤンキースは去就が注目されていたコディ・ベリンジャー外野手(30)と最終的に5年総額1億6250万ドル(約250億円)で再契約を結んだ。だが、米ニュージャージー州の地元メディア「ノース・ジャージー.com」が指摘するように、この大型契約は球団にとって手放しで喜べる話ではないという。
最大の焦点は、若手有望株への影響だ。外野にはベリンジャーに加え、トレント・グリシャム(29)、アーロン・ジャッジ(33)が並ぶ構図となり、将来を嘱望されるジェイソン・ドミンゲス(22)、スペンサー・ジョーンズ(24)の立場は一気に不透明になった。
若手外野手が弾き飛ばされる現状にはアーロン・ブーン監督(52)も「事態は複雑になるかもしれない」と胸の内を率直に打ち明け、開幕までに何が起こるかは予測不能であることに含みを持たせている。外野のベテランが逆に足かせとなり、チーム内の〝新陳代謝〟がうまく機能していないことで明らかに指揮官は不安を隠せない様子だ。
たしかにドミンゲスは守備面と右打席での成績に課題を残し、ジョーンズも長打力と引き換えに三振の多さが懸念材料とされる。
とはいえ、将来を見据えれば有望な2人を〝飼い殺し〟にしてしまう構図はどう考えても受け入れがたい。ベリンジャーが一塁も守れる万能性を持つがゆえに、若手が割り込む余地は一層狭まった格好だ。かつて描かれていた「左翼の定位置争い」という構図は、今や過去のものとなりつつある。
それでもブライアン・キャッシュマンGM(58)は強気の姿勢を崩さない。「我々は優勝できるレベルのロースターを持っている」と断言し、ゲリット・コール投手(35)ら負傷離脱中の主力投手陣の復帰も視野に、戦力には確かな手応えを示した。ただ、くだんの〝外野問題〟をタナに上げている感はどうしても否めない。
キャッシュマンGMは「重要なのは何を言うかではなく、何をするかだ」とも言い切っている。その言葉通り、ベリンジャーとの再契約が栄光復活への一手となるのか、それとも世代交代を停滞させる火種となるのか。
ラムフィールドの放出のみならず、前出の外野有望株2人も〝飼い殺し〟となる危険性は捨てきれない。補強と育成、その微妙な均衡が今季のヤンキースの行方を左右することになる。












