止まらず、流されず、自分の時間を積み重ねてきた――。アビスパ福岡のMF松岡大起(24)は、走行距離や出場試合数といった数字の裏側で、日々の過ごし方や考え方を大切にしている選手だ。金明輝監督の退任、安藤智哉の海外移籍と、チームを取り巻く環境が変わる中でも、足元を見失わずに前を向く。昨季を通じて見えてきた現在地と、その胸中を直撃した。

 ――体制が変わる中で、今どんな意識で日々を過ごしているか

 松岡 一日一日の準備を大事にすること。状況がどうであっても、やるべきことは変わらないし、シーズンは待ってくれない。その中で、自分が何を積み上げていけるかに集中している。

 ――金監督の退任をどう受け止めた

 松岡 正直、急きょのことで驚きはあったし、全選手がいろんな感情を持ったと思う。ただ、そこで立ち止まっていても何も変わらない。僕たちはピッチで表現する立場なので、最終的にはサッカーで示すしかない。

 ――塚原真也ヘッドコーチが暫定監督として指揮を執る形になった

 松岡 去年から積み上げてきたものはあるし、そこがゼロになるわけではない。練習の中でも選手同士でコミュニケーションを取りながらやれているし、新しい選手の特徴も含めて、すり合わせながらより良い形をつくっていきたい。

 ――昨季はリーグ戦36試合に出場し、出場時間は3135分だった

 松岡 ケガなくシーズンを通して試合に出られたことは良かった。守備の部分や運動量は自分の強みなので、そこは出せたと思う。ただ、チームとしてゴールが課題だった中で、自分自身ももっと攻撃の部分で違いを出せたのではという思いはある。もっと攻撃のクオリティーを上げていかないといけない。

 ――総走行距離404・9キロはリーグ2位だった

 松岡 数字は結果として出たものだけど、それ自体を目的にしているわけではない。ただ、毎試合チームのために走り切るという意識は常に持っているし、その積み重ねが数字につながったのであれば、悪くはないと思う。

 ――チームメートとの雰囲気は

 松岡 やっぱり同期の重見、小畑、碓井、菅沼とは仲もいいし、みんなでご飯に行ったりもする。ピッチの中では、それぞれが自分の役割を理解していて、声をかけ合いながらやれているし、信頼してプレーできる。

 ――安藤智哉がドイツ1部ザンクトパウリへ移籍する

 松岡 ドイツのブンデスリーグでプレーできるというのは簡単なことではないと思うし、すごい挑戦だと思う。頑張ってほしい気持ちはあるし、身近な選手が高いレベルに挑戦する姿は、自分にとっても刺激になる。

 ――自身に求めている成長とは

 松岡 守備や運動量は自分のベースなので、そこは続けないといけない。その上で、ゴールやアシストといった目に見える結果には、もっとこだわらないといけない。チームを助けるプレーを増やしていきたい。

チームメートと汗を流す松岡大起(左端)
チームメートと汗を流す松岡大起(左端)

 ――ピッチ外で大切にしていること

 松岡 時間の使い方。何となく過ごす時間を減らして、一日の中でどう動くかを意識するようにしている。オフでも、意味のある時間の使い方ができるように心がけている。

 ――ハマっていることやリラックス法は

 松岡 寝る前はスマホを見る時間を減らして、本を読むようにしている。筋肉や骨など体の仕組みについて書かれた本や、考え方を整理できる自己啓発的な内容のものが多い。自分の体を理解することは、プレーにもつながると思っている。

 ――福岡での生活は

 松岡 住みやすいし、ご飯もおいしい。オンとオフの切り替えがしやすい街だなと感じている。

 ――新シーズンへ向けて

 松岡 まずはピッチに立ち続けること。その中で、自分の存在感をしっかり出していきたい。チームとしても、必ず上の順位で終われるように、一つひとつ積み重ねていきたい。

新シーズンもチームのために走り続ける
新シーズンもチームのために走り続ける

☆まつおか・だいき 2001年6月1日生まれ。熊本県出身。MF。右利き。背番号88。172センチ、68キロ。サガン鳥栖U―18から19年にトップ昇格。21年に清水エスパルスへ期限付き移籍し、23年にブラジルのグレミオで短期武者修行。同年にアビスパ福岡へ移籍。25年はリーグ戦36試合に出場し、出場時間3135分、総走行距離404・9キロはJ1リーグ2位。運動量と守備強度で中盤を支える。