年が明け、さまざまな注目相場テーマが取りざたされる中、先週は「軍事・防衛関連」を取り上げた。2023年に施行された「防衛生産基盤強化法」によって、軍事・防衛関連企業は格段に利益を上げやすくなったからだ。

 同法の追い風を受けるのは、実は製造業だけではない。サイバーセキュリティー(CS)関連も含まれる。というのも、防衛機器に関する情報が他国に流出するのは、防衛にとって致命的であり、関連企業は今後一層、CSを強化する必要があるからだ。防衛省は、取引先の企業に対して、米国防省が契約企業に義務付ける基準と同レベルの厳しいCS基準を設定している。

 また、CSは、高市首相が掲げる「17の戦略分野」として重点投資していく方針であることもポイントの一つだ。

 ただ、CS分野はその道の専門家でないと関連企業の技術の優劣を判断できないのが銘柄選別を難しくしている。そこで、ここでは政府が設立した国家サイバー統括室(NCO)の戦略案の中で述べられている「CS情報を日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ(NCPC)に集約して体制を構築」という部分に着目。今後、CS関連として成長していくには、政府との連携が必要だろう。そう考えると、政府とのパイプを持つ「NCPC」会員企業の中から、CS業界で台頭する企業が出てくると思われるのだ。

 NCPC会員企業で、業績が拡大傾向にあり、かつ株価の上値余地が大きいと思われる銘柄をピックアップした。

 本命は、CS分野の世界的企業であるトレンドマイクロや、CS専業のFFRIセキュリティあたりだろう。ただ、当欄で取り上げるには株価水準が高すぎるのが難点だ。その点で、防衛省をはじめとした官公庁や自治体向けに実績があるソリトンシステムズ(3040=2118円)の株価は、まだ評価不足の感が強い。同社は24年にサイバー安全保障を手掛ける「サイバー防衛研究所」を設立。同研究所には、米ホワイトハウスでサイバーセキュリティー担当長官を務めたグレゴリー・ラトレイ博士をはじめ、CSのスペシャリストが複数在籍しており、今後のCS業界で頭角を現しそうだ。

 評価不足という点では、電子認証を得意とするサイバートラスト(4498=1341円)も同様である。また、クラウドサービスが主力のHENNGE(4475=1323円)は、東証グロースからプライム市場への鞍替えを狙っており、もう一、二段上の株価推移となっても不思議はない。(株価は13日終値)