異例の契約条項が、思わぬ波紋を広げている。米スポーツ専門局「ESPN」のバスター・オルニー記者によれば、ホワイトソックスと2年総額3400万ドル(約53億円)で契約した村上宗隆内野手(25)には、球団が本人の同意なくマイナー降格できない条項が盛り込まれているという。
3年連続100敗というどろ沼からの脱却を狙うホワイトソックスにとって、村上は再建の象徴的存在。だがこの「マイナー拒否条項」が明らかになると、SNS上では「本人が許可するわけがない」「そもそもリハビリ降格はどうなる」「ホワイトソックス自体がメジャーではなくマイナー球団だから意味がない」などと、地元ファンの間で懐疑と皮肉が入り交じった反応が噴出した。
こうした声が飛び出す背景に、これまでもたびたび米メディアの間で指摘されている村上の三振率の高さがあるのは明白だ。ここから派生し「村上はMLBで通用するのか」という疑念が地元のシカゴで膨れ上がり、いまだ議論の対象とされているのも事実。もっとも、こうした声に真っ向から異を唱えたのが今オフ、ホワイトソックスへ移籍したアンソニー・ケイ投手(30)だ。DeNAを昨季限りで退団し、昨年12月に2年総額1200万ドル(約18億7000万円)で加入した左腕は、米ポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」に出演。DeNA時代に〝NPB史上最年少3冠王〟と幾度も対戦した経験者として「彼は、自分が見てきた中でも別格のパワーの持ち主だ。メジャーで通用しないなんて、なぜそんな話が出るのか分からない」と首をかしげ、村上に向けられる懸念を一蹴した。
村上はMLBでも三振が多くなるとの指摘についても「彼のスイングスピードと打球の質は桁違い」と断言し、強く否定している。実際に村上は昨季こそ故障で69試合の出場にとどまったが、それでも220打数で24本塁打、52打点と短期間で驚異的な数字をマーク。昨季の本格的な一軍合流は実質上、7月末以降だったにもかかわらず、これだけの結果を残せた点を見ても爆発力と適応力は十分に示している。
「過保護契約」との見方もあるにせよ、裏を返せばホワイトソックス側の覚悟の表れとも言える。かつての対戦相手として〝令和の3冠王〟のストロングポイントを知り尽くすチームメートの証言が示す通り、村上を巡る議論は早くも次のフェーズに入りつつある。












