新日本プロレス4日東京ドーム大会で、東京五輪柔道100キロ級金メダルのウルフアロン(29)が、プロ初陣で極悪軍「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のEVILを破り、NEVER無差別級王者に輝いた。実力者を絞め落とし、デビュー戦で戴冠という前代未聞の快挙を達成。世界のマット界に衝撃を与えた金メダリストを、プロレス界のレジェンドたちはどう見たのか? 直撃した。
昨年6月の新日本入団発表から半年を経て、金メダルレスラーがついにベールを脱いだ。初戦の相手は遺恨が募り、自ら対戦を志願した怨敵EVILだ。H.O.Tのリーダーからは負ければ丸刈りと柔道着禁止を要求されていたが、何と頭を丸刈りにして入場。入場口で柔道着を脱ぎ捨て、黒のショートパンツにニーパット姿でリングに上がった。
4万6913人の大観衆も声援を送った。さっそうとリングに上がったウルフだが、ゴング前に仕掛けられて応戦。こん身のエルボー、ショルダーアタック、ラリアートからブレーンバスター、エルボードロップとプロレス技を連発した。
EVILからイス&パウダー攻撃をくらったが、カウンターのパワースラム、アングルスラムを敢行し、棚橋弘至の必殺技ハイフライフローではコーナーから飛んでみせた。H.O.T勢が再び無法乱入してテーブル葬に処されるも、EVILを背負いでぶん投げてから、逆三角絞めで失神させ、レフェリーストップに追い込んだ。
レジェンドたちはどう見たか。棚橋は引退試合後の会見で「デビュー戦ですよ、適応能力というかちょっと常識の、僕らがプロレス見てきて測れるものをはるかに超えている。これからもっと伸びしろがある。ビックリしました」と衝撃デビューに驚きを隠せない。
その棚橋の師匠で引退セレモニーに登場した〝炎の飛龍〟こと藤波辰爾(72)は、取材に「彼も柔道っていうものに一切こだわらず、プロレスに本気で取り組んでいることがうかがえた。投げに関しては柔道というベースがある。デビュー戦でEVIL選手を相手にあれだけのいい試合をやったら、次はハードルが高くなるけど、頑張ってほしい」と称賛する。
その上で「今後は彼次第。本人は『まだ物足りない』くらいに思ったほうがいい。これから先は長いしスタートだから、今日のお客さんは〝ご祝儀〟みたいなもの。覚悟の上だろうけど、これからがウルフの試練になる。いい素質を持っているので、期待しています」と今後の課題と期待を語った。
同じく引退セレモニーに出席した〝プロレスリング・マスター〟武藤敬司(63)は「まあ、及第点じゃないの」とズバリ。「たださ、恋愛と一緒であんまり最初良いと、次から減点、減点となるしね。本当はできるなら、少しずつ『こういう良いところがあるんだな』と行ったほうが、お客さまに良い感じになるんじゃないの。まあ、良いんじゃない」と、独特の表現で指摘した。次のハードルが高くなるほどの満点デビューだったということだ。
今後については「まだ、わからない。こういう逸材ってのは、去る時も早いからな、みんな」と、武藤らしい忠告だった。
当のウルフは初陣でベルトを奪取する快挙も「もっともっと高みを目指していく。(ベルトは)率直にめちゃくちゃうれしいが、地に足をつけていく」と謙虚な姿勢を貫いた。このままプロレス界を背負う大黒柱となれるか。注目が集まる。














