DeNAは今オフ、オースティン、ケイらの大物助っ人勢の退団に加え、FA権を行使した桑原も西武へ流出と編成面で苦境が続く。就任1年目となる相川亮二監督(49)も厳しい船出を余儀なくされそうだが、チーム浮上の一手はどこにあるのか? 本紙評論家の伊勢孝夫氏は「現実的な目線で見れば、現有若手戦力の底上げと機動力の強化に活路を見いだすしかない」との見解を示した。

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】爆発的な長打力を誇っていたオースティンの退団に加え、桑原のFA流出はかなりの痛手だ。筒香、宮崎らベテラン勢の奮起にも期待したいが、現状で確実に頼ることができそうな野手は牧ひとりだけ。このままでは阪神の牙城を崩すことは難しいだろう。

 率直に言えば相川新監督には気の毒すぎる状況だ。とはいえ近年は豊富な予算で、バウアーら大物外国人を積極的に補強してきたチーム。一発が期待できる助っ人砲を今オフの移籍市場で獲得できるか? フロント編成スタッフの挽回に今からでも期待するしかない。

 とはいえMLBとNPBの経済格差が過去にないほど広がっている状況で、〝当たりくじ〟を引き当てられる可能性などそう高くない。今、確実にできることはレギュラー定着を目指す若手有望株の徹底的な強化と、適材適所の起用だろう。

 山本、松尾と将来性豊かな捕手が2人そろっていることはポジティブに捉えたい。プロの世界で22年もの長きにわたり扇の要を務めてきた新指揮官の下で、これから多くのことを学んでいくだろう。配球面も含め、投手陣を牽引できるだけの存在を目指してほしい。

 桑原が抜けた中堅の穴を誰が埋めるのかにも注目したい。今季は打撃不振に苦しみ出場61試合、打率2割4分5厘と低迷した梶原が復活すれば面白い。足が使える彼が、「1番・中堅」の座に定着すればチーム全体の攻撃の形も見えてくるはずだ。

 データ分析と活用に重点を置くチーム方針が奏功してか、近年のDeNAは機動力を効果的にゲーム内で発揮する場面が増えてきた印象だ。足で相手バッテリーをかき回し、次の塁へ進む意識を全体で共有できれば、これまで奪えなかった勝負どころでの〝あと1点〟をもぎ取る可能性も当然増えてくる。ここに活路を見いだしてほしい。

 セ他球団全体を見渡しても、黄金時代を謳歌する阪神を止められそうなチームは、現時点では残念ながら見当たらない。来季も虎の独走が続くようではリーグ全体の盛り上がりも期待できないだけに、相川新監督の手腕に注目したい。まずは来年2月の春季キャンプで、目指すべきチーム像をどのように提示してくれるかを楽しみにしている。(本紙評論家)