ソフトバンク・今宮健太内野手(34)が6日に福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億円ダウンの年俸2億円プラス出来高でサインした。今季は相次ぐ故障離脱で出場46試合にとどまり、打率2割5分5厘、2本塁打、12打点。球団からの提示、方針を真摯に受け止め、背水の覚悟で挑む17年目を見据えた。

 穏やかな表情で会見場に現れた34歳は「(大減俸は)もう当然のこと。重なるケガで3度の抹消…。チームのために何もできなかった」と潔かった。想像もしなかった離脱の連鎖。戦場に立てない悔しさを募らせたシーズンだった。今季、歴代最長に並んだ13年連続開幕ショートは勲章。30代中盤を迎えるまで遊撃一本で戦ってきた。だが、シーズン終了後に小久保監督から野村勇内野手(29)との遊撃手争い、さらには内野全ポジションの準備を求められた。

 もう「絶対的主力」という立ち位置ではない。現実を直視した上で、不退転の覚悟がにじんだ。「今年のようなケガの連鎖があれば、もう終わり」。内野全ポジションを守るということは練習量も増える。「ケガのリスクも上がってくる」と認めるように、体への負担が増すのは自然だ。

 一気に遊撃ポジションをつかもうと、目の色を変えて挑んでくる野村は強力なライバル。「パンチ力があって、足が速くて肩も強くてっていうところは本当に魅力的。ショートで20発打てる選手って、パ・リーグにはなかなかいない。それくらいのポテンシャルの持ち主。簡単に勝てるわけない」。ケガを恐れていては競争にならないことも承知だ。

 これまでにないアプローチで勝負できる肉体を準備する。このオフは小久保監督直伝のトレーニング法で、ケガをしない体づくりに励んでいる。「動き出しってところを考えたら、じっくり、じんわり続けていくことが大事」と強度調節を意識。故障リスクを抑えることを最優先にするのは、グラウンドに立ち続ければ競争に勝てるという自信があるからだ。

 更改後、子供の習い事を見学に「往復4キロ。ちょうどいいんで」とジョギングで向かった今宮。幾度も逆境をはねのけてきた男の新たな戦いが始まる――。(金額は推定)