ソフトバンクの柳町達外野手(28)が3日に福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、6800万円アップの年俸1億1000万円でサインした。

 今季は2年続けて開幕二軍スタートとなったが、近藤の負傷離脱で出場機会を得て主力に定着。6年目で自己最多131試合に出場してリーグ2位の打率2割9分2厘、6本塁打、50打点の好成績をマークするなどリーグ連覇と日本一奪回に大きく貢献した。

 交流戦MVP、最高出塁率、ベストナインに輝いた男にふさわしい大幅昇給だった。先月29日に行われた1回目の交渉を保留していた柳町は「代理人をつけている方だった場合、メールでやり取りできたり何回も交渉できる。僕ひとりだと交渉日1回だけしか交渉できない。お金の話や来年の話だったり、大事な話を一回家に持ち帰って、家族で話し合ったり、考えをすっきりさせるという中での保留だった」と経緯を説明。今回も提示金額に変動はなかったが、満足感がにじんだ。

 大台突破に「1億円プレーヤーと言えば、やっぱりプロ野球選手の夢。ドラフト5位で、その年の支配下では一番下で入ってきたので、こんな景色が見られるとは思っていなかった」と感慨にふけった28歳。球界を代表する選手をそろえ、育成含め毎年120人前後の選手を抱える球団にあって、レギュラー確保は至難だ。ゆえに、柳町の立身出世は高い壁にひるみそうになる若鷹を鼓舞するものとなった。

 チャンスが少ないは、言いわけ――。育成出身で来季7年目を迎える石塚綜一郎捕手(24)はこう語る。「チャンスが少ないというか、もらったチャンスを生かしきれなかった。達さんも最初は開幕戦にいなくて、出番が少なかった中で規定打席に乗ったり、最高出塁率を取ったりした。チャンスをつかみきれなかった自分がいた…」。

 逃げ道をつくらず、実力ではい上がろうとする若手の突き上げはチーム内競争を活性化させる。常勝軍団に不可欠な空気を醸成した柳町。大幅昇給に見合う貢献度だった。(金額は推定)