海を渡ろうとする日本人選手にとって「人柄」が大きな評価ポイントになりつつある。今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を表明しているヤクルト・村上宗隆内野手(25)や巨人・岡本和真内野手(29)、西武の今井達也投手(27)と高橋光成投手(28)らに対し、MLB各球団がプレー面だけでなく「性格」や「献身性」を重視し始めているという。

 米ネバダ州ラスベガスで13日(日本時間14日)まで3日間行われたGM会議には複数球団の幹部が集結し、新戦力候補について情報交換が進んだ。MLBスカウトの1人によれば、同会議でNPBからの移籍が見込まれる選手の名前が話題に上がる際、その関心事は実力面もさることながら「どんな人物なのか」とのパーソナリティーに向けられていたという。

 その背景には、今年のワールドシリーズ(WS)でドジャース・山本由伸投手(27)が示した「献身性」がある。山本は第2戦に先発した直後、本来休養が必要にもかかわらず延長18回の死闘となった第3戦で中1日のリリーフ登板を志願。結局、マウンドには立たなかったものの、第6戦で先発勝利を飾った翌日の第7戦で救援として延長11回まで2回2/3を投げ抜き、胴上げ投手となった。日本人2人目のワールドシリーズMVPに輝いた山本の献身的な姿勢は、多くのMLB幹部に強烈な印象を残したようだ。

 前出のスカウトも「苦しい時に〝チームのために動ける選手〟を欲しがるのは、国籍を問わない。数字を残すのは大前提で巨額のサラリーを投じるからこそ、それ以上の価値を持つ選手かどうかを見極めたい。山本のような選手を求める傾向が強くなっているということ」と力説している。

 現代のMLBではデータや映像が豊富で、投球スタイルや打撃技術は簡単に入手できる。しかし「チームへの献身性」や「周囲との協調性」「メンタル面の強さ」などは数値化しづらく、スカウトにとっても判断が難しい項目だ。

 そのため例年以上に、今オフは日本人選手の「人柄」に関する情報収集が進んでいる。クラブハウスでの振る舞いや練習態度、周囲とのコミュニケーションの取り方まで多角的な人物評価が行われる見通しだ。

 NPBからポスティング移籍が相次ぐ今オフのMLB市場。実力に加え、どれだけチームに献身できるか。人間性が評価の大きな要素となる流れは、今後さらに強まっていきそうだ。