超速の抜てきだ。阪神の藤川球児監督(45)が16日の秋季キャンプで、早くも来年の春季キャンプで一軍の宜野座組に招集する5選手を明言した。

 この日の中日との練習試合には0―4で零封負けを喫したが「結果はどちらでもいいです」と涼しい表情で「良かった選手はメモしていますから。門別、百崎、嶋村、井坪、木下もマークしてます」と口にした。

 中でも昨秋のドラフト3位・木下里都投手(24)は、11日の中日との練習試合(春野)に続いて無失点投球。11月に来年2月の一軍スタートを知らされた右腕は「ええっ!?」と仰天しつつも「よかったです。今いい体してますし、投球もいい感じなのでオフでダメな感じにならないように頑張ります」と力を込めた。

 昨季は11試合に登板して0勝0敗、防御率3・29。8月を最後に一軍のマウンドから遠ざかったが、1年目の一軍経験は確かな財産だ。

 木下は社会人・KMGホールディングス時代に「野球をやめようと思った」という過去も持ち、ドラフトで指名されなければ〝引退〟も覚悟していた。それだけに、阪神からの指名は運命を変える一歩だった。「野球をやめなくてよかったですね」と笑顔で話す右腕の背中には並々ならぬ決意がにじんだ。

 武器である最速150キロ超の直球も健在で「ツーシームが小さいのと大きいの、どちらも投げ分けられれば(投球が)簡単になると思う」と新たな武器習得にも意欲を示す。

 虎将が求めるのは「右の速球派リリーバー」だ。〝崖っぷち〟からはい上がった右腕は、来季こそ一軍のマウンドで旋風を巻き起こせるか。