米国・AEWの「AEW DYNAMITE」(ノースカロライナ州グリーンズボロ)が12日(日本時間13日)に放送され、〝南海の黒豹〟リッキー・スティムボート(72)が、往年の雄姿を見せつけた。

 英国人の父と日本人の母を持ち、バーン・ガニアに鍛えられAWAでデビュー。NWAミッドアトランティック地区ではリック・フレアー、ジミー・スヌーカらと激闘を展開してトップレスラーになった。1980年に全日本プロレスで初来日を果たし、独特のカンフー&空中殺法と甘いマスクに入場テーマ曲だったYMOの「ライディーン」で絶大な人気を誇った。85年からは〝ザ・ドラゴン〟としてWWE、WCWでも活躍。89年にはNWA世界ヘビー級王座も獲得した。94年に引退するも、時折リングに上がり、存在感を示してきた。09年にはWWE殿堂入りし、22年からAEWのリングにも登場していた。

 この日は、実況のトニー・シバーニ氏に呼びこまれてリングに登場。解説のブライアン・ダニエルソンは「彼は史上最高のレスラーの一人であり、史上最高の人でもある」と指摘し、若手の頃にアドバイスを受けた逸話を披露した。白髪のスティムボートが宿敵フレアーとの戦いの軌跡を振り返っていたところで、FTR(キャッシュ・ウィーラー&ダックス・ハーウッド)が現れ、スピーチの邪魔をした。

 ハーウッドはレジェンドから指導を受けた経験があることを明かした上で「俺があんたより偉大な伝説になるなんて、誰が想像しただろうか?」などとこき下ろした。観衆から大ブーイングが起き、スティムボートはハーウッドと対峙し頭を突き合わせた。さらにハーウッドにアゴをつかまれると、豪快に胸を突き飛ばしてみせた。会場は「リッキー! リッキー!」の大チャントだ。

 ハーウッドから「リングから出ていけ!」と怒鳴られると、スティムボートは「時には慎重さが勇気の源だ。73歳になる俺がいまさら哀れみや許しを乞うつもりはない。今日は賢明な選択をするだけだ」と言って、リングを下りようとしたが…ウィーラーが襲いかかり、ハーウッドがパイルドライバーの体勢で72歳のレジェンドを捕獲した。

 ここでAEW世界タッグ王者のブロディード(ブロディ・キング&バンディード)が、リングに走り込んできた。次回PPV「FULL GEAR」(22日=日本時間23日、ニュージャージー州ニューアーク)でFTRの挑戦を受ける2人は、レジェンドの救出に成功。スティムボートはリングに残ったハーウッドにカウンターのパンチをくらわすと、カンフーポーズから得意のチョップをさく裂させた。

 大歓声の中、FTRを蹴散らしたスティムボートはブロディードの2人に両手を上げられ、たたえられた。72歳となった〝南海の黒豹〟は、プロレスラーとしての闘志は衰えていないことを証明した。