米国・WWEプロレスの祭典「レッスルマニア42」は、ネバダ州ラスベガスのアレジアントスタジアムに2日間で計10万6072人の大観衆を集め盛況のうちに終わった。なかでも2日目(19日)メインの王者CMパンクvsローマン・レインズの世界ヘビー級王座戦は〝クラシック〟の呼び声も高い名勝負となり、世界最大プロレス団体の底力を示した。

 一方で、リング外では一部ファンのマナーの悪さが選手、関係者から指摘され、物議を醸している。初日(18日)にジェイコブ・ファトゥと非公式試合を戦ったドリュー・マッキンタイアは自身のXを更新。礼儀正しいファンへの感謝を記した上で「ホテルで俺と家族に殺到してきたヤツら、子供たちを俺たちの前に突き出して夜中の2時まで起こし続けたヤツら、許可なくカメラを俺の顔に押し付けてきたヤツらは、リング外の俺が温厚でよかったと思え。どうか二度とそんなことをしないでくれ」と訴えた。

 またWWE殿堂者のブッカーTはポッドキャスト番組で「ホテルから出て歩いてたら、男が俺の前に立ちはだかってカメラを構えたんだ。めちゃくちゃ失礼だった。もしそいつにぶつかって倒れたら、ヤツは俺を訴えようとしただろうね」と苦情を申し立てた。さらに男性ファンは何とトイレまでついてきて、撮影していたという。「俺は現役じゃないのに群がってきた。実際にリングで戦っているスーパースターたちはどんな気持ちだったのか」と話し、セキュリティー強化を要望した。

 そうした選手側の気持ちが爆発したのが、レインズに敗れ王座から陥落したパンクだ。米ニュースサイト「TMZスポーツ」によると、試合後にホテルのロビーでパンクの妻AJリーが同僚のベイリーとハグをかわしていた。その姿を撮影していたファンがいたため、ベイリーは携帯電話に手をかざし「あっちへ行って」と写真を嫌がった。

 これにパンクがファンに近づいて、携帯電話を叩き落としたのだ。幸いにもすぐに警備スタッフが割って入り、それ以上のトラブルにはならなかった。ファンも同サイトの取材に、訴訟を起こすつもりも警察に通報する予定もないとし、「ただ謝ってほしいんだ」。ブッカーTが懸念したような事態にはならなかったが、選手側のフラストレーションの大きさを物語っている。

 ただパンクがマイクで指摘したように、祭典のチケットは近年高額化しており、それに伴い選手との撮影会など関連イベントの値段も上がってきた。こうしたことからSNSでは、ファン側でも「私は何年もお金を節約して写真撮影の機会をゲットした。あなたもそうしなさい」「選手をストーキングして無料で撮影するなんて」と選手を擁護する意見もあれば、「手頃な価格にしてよ。変なヤツらでも本物の交流にお金を払えるようにさ」との声もあった。

 一部ファンの〝暴走〟は数年前から問題になっているだけに、団体側も早急な対策が必要と言えそうだ。

「WWEレッスルマニア42」はABEMAにて中継された。