来てほしい──。ソフトバンクの育成2年目・佐倉侠史朗内野手(20)が同学年ドラ1への思いを口にした。かつて互いに「高校BIG4」と呼ばれ、ともに肩を並べたライバルに対し熱烈なラブコールだ。

 2023年育成ドラフト3位でホークスに入団した佐倉は今季、二軍戦初出場を果たすと宮崎フェニックス・リーグでも快音を響かせるなど着実にステップアップ。球団の期待も大きい。一方でホークスは、ドラフトで佐々木麟太郎内野手(20=米スタンフォード大)を1位指名。見事に交渉権を獲得した。同学年のライバルともなり得る存在に対し、佐倉の中にはある心境の〝変化〟があった。

 佐倉にとって佐々木は〝意識せざるを得ない〟存在だ。高校時代は同僚の前田悠や元広陵・真鍋らとともに「高校BIG4」を形成。中でも佐々木、佐倉、真鍋は左打ちで長打が持ち味と同タイプの選手だった。佐倉は育成でホークスに入団、佐々木はスタンフォード大へ進学し、別々の道を歩んでいたものの今秋のドラフトにより同僚になる可能性が生まれた。世間からの注目を集める長距離砲ドラフト1位の入団が実現すれば、佐倉にとって厄介な競争相手となることは間違いない。プロは厳しいサバイバルの世界だけに、佐倉は「(ドラフトの時は)ビックリした。『来ないでくれ』とも思った」と当時抱いた率直な心境を打ち明けた。

 だが、時間がたつにつれて、だんだんと心境に変化が訪れたという。「今は逆に来てくれた方がいいというか、(佐々木の存在が)すごく自分のモチベーションになっている。僕としては(ホークスに)来てほしい」。佐々木がいれば、自分自身がよりスケールの大きな選手になれる。結果的に佐々木が入団に至らなくても、ライバル心を燃やしながら自らが積み上げる練習は決して無駄にはならない。そんな思いが逆に闘争心をあおった。

 佐倉は「何なら『勝てるなら勝ってみろ』くらいの気持ちでやれたら」と意気込む。麟太郎指名の〝波及効果〟はチーム内ですでに生まれている。