五輪金メダルへ苦しい船出となった。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯最終日(8日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)の男子フリーが行われ、2022年北京五輪銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)は188・66点、合計287・24点で優勝。エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)以来の3連覇を果たした一方で、周囲からは厳しい声が上がっている。
「セーフ」のポーズは「耐えた」という意味だった。2本目の4回転トーループで「安定していたのでびっくり」と転倒。その後は大きなミスなくまとめた。演技構成点は全体1位と持ち味を発揮するも、北京五輪時に記録した自己ベスト(310・05点)には遠く及ばなかった。「自分の理想としている部分にはまだまだ追いついていない」と悔しさをにじませた。
26年ミラノ・コルティナ五輪イヤーの今季は「『銀』の次は『金』しかない」と宣言。力強い言葉には他競技団体の関係者から「鍵山選手の強い覚悟を感じる」と称賛もあったが、現実は甘くない。GPシリーズ第3戦スケートカナダではイリア・マリニン(米国)が自己ベストの333・81点をマーク。鍵山との自己ベストの差は23・76点に開いた。
鍵山は自己ベストに近い得点を狙って今大会に出場。少しでもマリニンに自身の存在を意識させるのが1つの狙いだった。それだけに別のフィギュア関係者は「やっぱり今大会で300点はいきたかった」と不満顔。ショートプログラム(SP)ではキャメルスピンやステップ、フリーではジャンプのミスが飛び出すなど、完璧な演技には程遠かった。指導する父の正和コーチも「足りないものが多いと実感している」と振り返った。
ミラノ・コルティナ五輪まで残された時間は3か月弱となった。鍵山は「SP、フリー通して細かいミスだったり、練習でもしないようなミスがあった。試合はそういうものだと思うので、対処していけるように、もっともっと練習を積み重ねたい」。可能性がある限り、金メダルを信じて突っ走る。












