2025年シーズンを日本一という最高の結果で締めくくったソフトバンク。日本シリーズでは山川の3本塁打をはじめ、第6戦の柳田の同点2ラン、野村の決勝ソロなど〝本塁打の威力〟を感じるシリーズとなった。そんな本塁打にこだわりを持つ、長打力が売りの若鷹がファームで鍛錬を積んでいる。24年育成ドラフト10位でホークスに入団した漁府輝羽外野手(23)だ。確実性に課題は残るものの、三軍首脳陣から成長ぶりを語られるルーキーの1年間と本塁打へのこだわりに直撃した。

インタビューに応じたソフトバンク・漁府輝羽
インタビューに応じたソフトバンク・漁府輝羽

 ──ルーキーイヤーを振り返って

 漁府 入団する前はもう少し打てるのかなと思っていたんですけど、いざ入ってみて、なかなか打てなくて波があったりして。いいことばっかりじゃなかったんですけど、でも、この1年間で打てないからこそ気づけたことがすごくたくさんあったので、来年につなげていけたら。

 ──気づけたこと

 漁府 例えば、自分はなんでも試すことが多かったんですけど、良かった時も悪かった時もあって、いろんなことにベクトルが向いてしまう。そうじゃなくて打撃が悪くなっても戻れるところを作ることが大切だなと。核の部分を作らないと、いざ長いシーズンの中で不調になった時に戻るところがなくて、どんどん埋まっていくなと思いました。

 ──少しずつ核はできてきた

 漁府 これをやればこういう形になるとか、そういうのがわかってきた。あとは目の反応速度が自分の中では周りの選手に比べて低いなと。二軍戦に参加した時に、二軍選手とはボールの見え方だったり見送り方が全然違うなと感じた。オフの間にそこもしっかりやっていきたいです。

 ──持ち味のパワーは

 漁府 パワーに関しては自信があるので。ただ、シーズン通して結果が出なかったり、三振数を考えた時に、シーズン中に率を求めて小さい動きになってしまった時期もあった。そうではなく、まず自分の過去のどこに戻るかっていうのをしっかり作った上で強いスイングして当てるとかじゃないと、プロに入ってきた時の自分の長所も消えてしまうので。そこがこの1年間ですごくわかった。

 ──気持ち的に難しいところもあった

 漁府 そうですね、学生の時と違って(三振数とかは)数字として残るので、そこはやっぱりありました。でも、たぶん僕はホームランと長打が求められている。そこを減らさないように、来年三振も減らしながらコンタクト率を上げられたら。

森笠コーチ(右)から指導を受ける漁府輝羽
森笠コーチ(右)から指導を受ける漁府輝羽

 ──本塁打へのこだわりはいつから

 漁府 小学生の頃からホームランしか頭になかった。小学生の頃はソフトボールをしていて、小さなグラウンドだったんですけど、レフトのネットの向こうに理髪店があったんです。自分の打球がネットを越えて打球がお店の屋根に直撃することがあって、髪を切りに行った時にお店のおじちゃんとかお兄ちゃんが「今日も当てたろ」と聞いてくれて。それをすごく覚えていて、ネット越えをずっと狙っていた。「そこを越えたのはお前だけや」しか言われなくて(笑い)。今でもオフに行ったら思い出話として笑ってくれたり。そこからですね、すごく気持ちいいなと。

 ──その思いが中学、高校も

 漁府 ただ、中学校では柵越えを打ったことがなくて。軟式になってボールがつぶれるのがすごく難しかった。それでもずっとホームランを狙っていた。なので高校に入って硬式になってちょっとびっくりしました。こんなに飛ぶんだと。高校に入る前の目標が1年生で1本、2年生2本、3年生3本だったんですけど、それよりも全然打てて(高校通算24本塁打)びっくりしました。

 ──あこがれの選手

 漁府 高校の時は鈴木誠也選手がかっこいい、すごいなと思っていた。今の日本球界だったら、やっぱり山川選手。ホームランがすごいので。まだあいさつをさせていただいたくらいなんですけど。打席の考え方だったり、山川選手のどんな状況でもフルスイングする姿勢がすごいなと思うので。打ち方もそうですけど、心の持ち方を聞いてみたいです。

 ──今後の目標は

 漁府 1日でも早く支配下になることがまずは一番の目標。大卒で時間もないと思うので、1日1日やるべきことを考えて思い切って自分を信じてやって、あとは諦めずにやり続けることが大事だと思う。それは高校の時からずっと掲げてやってきているので、どういうことがあっても、どういう結果になっても、自分を信じてやり続けることは心に入れてやってます。

目指すは支配下登録&一軍だ
目指すは支配下登録&一軍だ

 ☆ぎょふ・こうは 2002年7月16日、岡山県倉敷市生まれ。右投げ右打ち、外野手。背番号143。身長183センチ、体重93キロ。おかやま山陽では高校通算24本塁打。東北福祉大では出場機会が限られたものの、持ち前の長打力がスカウトの目に留まり、24年育成ドラフト10位でホークスに入団した。ルーキーイヤーの今年は二軍では3試合の出場で無安打。三軍などの非公式戦ではチーム最多の105試合に出場し、打率1割5分6厘、6本塁打、42打点。