14日に引退会見を開いた巨人・長野久義外野手(40)が大学院進学を目指しているという。会見の中では「コーチのマネジメントだったりスポーツマネジメント、そういう方向を少し勉強して。理論的に話をできるようにしたいなと思って、大学院に進学しようと思ってます」と今後の抱負を語り、話題となった。

 引退後の身の振り方としての〝学び直し〟は、近年のトレンドのひとつになりつつある。昨年引退した西武の元守護神・増田達至氏(37)も「ファーム育成付」として球団に籍を残しながら、外部でコーチング理論を学んでいる1人だ。

 同氏は「ライセンスがなくてコーチになれるのは野球だけ。コーチになった時のために、少しでも勉強して知識を得れば今後にも生きるし、説得力も出てくる」と指導者になる準備段階として〝学び直し〟を選択した。

 また、今季限りでロッテの指揮官を退任した吉井理人氏(60)は一度、現場でコーチ業(2008~12年)を経験した後、14年から筑波大学大学院の人間総合科学研究科修士課程・スポーツ健康システムマネジメント専攻へ入学。「自分の経験を理論で理解した上で、言葉で説明できるようになりたい」と述べ、その目的を語っていた。

 吉井氏と同時期に同じ筑波大大学院で学んだ同窓生の工藤公康氏(62)、仁志敏久氏(54=現西武野手チーフ兼打撃コーチ)もそれぞれ後にソフトバンク監督、DeNA二軍監督と理論を身に着けてから野球の現場へと復帰している。

 西武では仁志コーチと同じく今季から外部招へいされた大引啓次内野守備・走塁コーチ(41)も、21年に日本体育大学大学院でコーチングを学び現場に戻っている。

 この背景には世界のトッププレーヤーの映像が、いつでもどこでも手軽に見れてしまう〝YouTube時代の弊害〟という見解もあるという。

 あるファーム首脳陣は「特に育成年代の若手ほど〝YouTube依存率〟は高い。自分がどういうタイプか見極める前に、大谷翔平をコピーしてしまっている。そこへたどりつく過程は全て省略です」と嘆く。そんな時代だからこそ「指導者の言葉には、より説得力が求められる。野球で起こりうるあらゆる事象を説明できるようにならないと今の選手はついてこない」とも補足した。

 指導者受難の時代ゆえに理論を身に着け、言葉を磨いていく必要に迫られているという。