サッカー日本代表は14日、国際親善試合ブラジル戦(味スタ)で3―2と劇的な逆転勝ちを収め、対戦成績2分け11敗と未勝利だった王国から歴史的初白星を手にした。チームとして目標に掲げる北中米W杯優勝に向けて、元日本代表FW武田修宏氏(58=本紙評論家)は、確かな「前進」と太鼓判。さらに快挙の立役者としてMF鎌田大地(29=クリスタルパレス)を〝新キング〟に指名した。

 歴史的金星を挙げた森保一監督は試合後、来年の北中米W杯へ改めて「W杯優勝」を目標に掲げた。その上で「簡単なことではない。ブラジルも、本番ではもっと厳しい戦いをしてくる。全てを覚悟しながら一歩一歩、目標に向かって成長していきたい」と誓った。

 殊勲の決勝ゴールを奪った上田もW杯の目標について「もちろんチームと同じ優勝」と堂々宣言。「約束はできないけど、そこを目指すために僕も含めて選手みんな成長している。そこを目指せる場所にはいると思う」と力強く語った。

 今回の1勝は、目標が夢物語ではないことを証明した。武田氏は「カタールW杯でドイツ、スペインに勝って、今回はブラジルに初勝利。W杯優勝という目標があって、選手一人ひとりが成長して力をつけているし、トップ選手と対戦して世界基準を再認識できたのは大きい」と森保ジャパンが急成長を遂げていると強調。現時点では「これで優勝できると言うのは難しいが」と前置きした上で「前進しているのは確か。ベスト8、ベスト4の可能性はある戦い方をしている」と世界トップクラスの地力がついてきていると分析した。

 そして日本は、世界屈指の強豪にふさわしい〝巨大戦力〟も整いつつある。今回はDF陣に負傷者が続出し、大黒柱のMF遠藤航(リバプール)やMF三笘薫(ブライトン)も負傷で招集されていないメンバー編成での王国撃破。「今回呼ばれた選手は自信になると思う。より高い目標でやれるんじゃないか」。指揮官が優勝へ不可欠と感じている選手層の底上げにも成功したわけだ。

 新たな〝王様〟の誕生も印象付けた。世界最高峰のイングランド・プレミアリーグで今季絶好調の鎌田だ。

「良かったよね。プレミアで活躍しているし、遠藤の穴を埋めていた。攻撃の時は良いポジションを取って起点になれるし、相手のチャンスもプレスをかけて潰していた。ハードワークしていたし、MVPを挙げるなら鎌田だね」

 司令塔として攻守の要となり、王国をきりきり舞いさせた。さらに武田氏は、好セーブが光ったGK鈴木彩艶(パルマ)や、国際Aマッチ3試合目ながら強烈なパフォーマンスを発揮したDF鈴木淳之介(コペンハーゲン)の台頭も評価した。

 大金星をきっかけに、森保ジャパンが世界一へ進化のスピードをさらに加速させていく。