藤川球児監督(45)率いる阪神は11日に本拠地・甲子園球場で全体練習を行い、CSファイナルステージ(15日開幕、甲子園)へ向けた最終調整に汗を流した。
本来なら同日から近本、中野、森下、佐藤輝、大山らの主力打者陣が宮崎県内で行われている「フェニックスリーグ」に合流し、対外実戦に臨む予定となっていた。だが、台風23号が九州地方に接近する恐れがあったため、派遣は急きょ取りやめ。代替としてこの日は1時間45分もの時間をかけて、じっくりとシート打撃を行った。
ポストシーズンからの復帰を目指すデュプランティエをはじめネルソン、桐敷、湯浅らが登板する中、佐藤輝、大山らは特大のアーチをマーク。一軍戦力同士のハイレベルな攻防を目にした藤川監督も「いい形で選手たちに打席を与えることができた」と納得の表情を浮かべた。
とはいえ主力打者たちがシーズン最終戦となった10月2日のヤクルト戦(甲子園)以降、一度も本格的な対外実戦に出場せぬまま、約2週間ものブランクを経てCS本番に臨むことには不安も残る。「実戦勘」を巡る問題はCS制度が導入されて以降、常に議論の的となっており、球団関係者も「今回の決断が正しかったかどうかは結果論でしか語れない」と語る。
教訓となり得るのが、いわゆる〝新庄ハムの悲劇〟だ。シーズン終盤までソフトバンクと激しい優勝争いを繰り広げていたが、9月5日のオリックス戦(京セラドーム)の当日に東京→新大阪の新幹線移動便が、台風号の影響による大雨に見舞われ、静岡駅で2時間以上も立ち往生。乗車していた主力選手たちはヘトヘト状態のまま、午後7時30分からのプレーボールに変更されたゲームに臨むこととなった。
蓄積した疲労も響いてか、このカードで日本ハムは痛恨の3連敗。ソフトバンクにゲーム差を広げられ、覇権奪回への夢は大きく遠のいた。
虎の主力打者たちは、当初の予定なら12日のオイシックス戦(SOKKEN)まで宮崎に滞在する予定だった。だが交通アクセスの悪い当地で台風に直撃され〝缶詰〟状態に陥れば、CS本番を目前にした帰阪手段が極めて困難になることは想像に難くない。
いくら屈強なフィジカルエリートであるプロ野球選手であろうとも、長距離移動に伴う疲労は心身を大きくむしばむ。この日、宮崎・天福で予定されていた広島戦は4回途中で降雨ノーゲーム。試合そのものが行われなければ元も子もないだけに、今回の虎のマネジメントは現時点で〝吉〟の方向に向いていると言えそうだ。












