阪神は3日に甲子園で全体練習を行った。2年ぶりのリーグ制覇を達成し、すでに今季の全日程を終了。秋空の下、藤川球児監督(45)は選手たちの一挙一動を食い入りように見つめたが、その一方で報道陣相手に妥協なき〝火の玉ストレート〟を投げ込む姿も目についた。

 囲み取材に応じたものの、内容はほとんどがベールに包まれたまま。6日に始動するみやざきフェニックスリーグでの期待や展望を問われても巧みにかわし、確信めいた言葉は最後まで出なかった。

「あんまり今は皆さんへの話はないんです。興味の持てるようなところも興味を持っちゃいけないんです。それが逆にジャマになるんですよ…」

 記者陣から飛ぶ質問に時には笑みを浮かべ「宮崎のおいしい料理を楽しみにしてます」とご当地グルメに胸を躍らせながらはぐらかし、核心は明かさず。投手時代に相手打者を翻弄した〝火の玉ストレート〟が、今も指揮官の言葉に宿ることを示す光景だった。

 翌4日の練習後の囲み取材についても指揮官は〝球威〟をアップさせ、さらに踏み込んだ。「明日も話すことはありませんから。他の選手を連れてくるなりしますね。囲みはなしでお願いします」。勝利のために情報を外に漏らさず、状況に応じて「虎のカーテン」を引きつつ徹底してチームを守る姿勢は昨秋から一貫している。 

 監督就任1年目ながらもリーグ優勝に導いた若き虎将。もちろん任された監督業に余念は一切ない。「自分は24時間、寝てるとき以外は指揮を執っていますから。それが仕事なので、当たり前のこと。特に変わることはない。こちらがどうとかではなく、選手は現役の間、自分を磨き続けることを求められるだけ」

 報道陣に対して自らの思いをケムに巻いても、選手にはブレずに本質を求める。そのシンプルかつ鋭い姿勢こそが、15日に初戦を迎えるポストシーズンを見据えた〝本気モード〟の証しだ。

 頂点を目指すために妥協せず現場主義を貫く虎将の〝火の玉イズム〟が、ポストシーズンの戦いへと加速するチームを一層鼓舞している。