井上一樹監督(54)が就任した1年目の中日は63勝78敗2分けの4位に終わった。3年連続最下位から順位を上げたものの、2012年以来13年ぶりのクライマックスシリーズ進出はかなわなかった。

 来季のリーグV、Aクラスに向けての課題について井上監督は「何が足りないかってもうはっきりしている。投げるも打つも守るもやっぱり一枚何か足りなかった。だから今年、僅差で負ける試合、もうちょっとで勝てたという試合がいっぱいあった。全てにおいてレベルアップしなければならないと痛感した。ケガでいなかった、あいつが不調だ、というときにその周りがうまいことできればもうちょっと違ったのかなと思った」と語った。

 今季も克服できなかったのが、得点力不足だ。シーズン403得点はダントツのリーグ最下位。大量得点を挙げて相手を圧倒できないため、ほとんどのゲームが接戦になる。それが僅差での惜敗が多い要因にもなっている。

 それでも中日OBで本紙評論家の宇野勝氏は「最多安打のタイトルが確実な岡林と今季復活した上林がシーズン通して好調を維持。シーズン後半は3年連続20本塁打を記録した細川とチーム最多打点のボスラーも力を発揮して打線の中軸は固まった」と攻撃陣のポテンシャルを評価。「故障もあって今季は活躍できなかったが石川昂、福永、高橋周、そして高卒1年目ながら二軍で9本塁打を放ち、一軍のスタメンも経験した森駿太も来季はさらに期待できる」と打撃力アップの可能性は十分にあると分析している。

 バンテリンドームでは来季からホームランウイングを新設し、右翼側、左翼側それぞれ128席の座席を外野フェンス前に設置する。フェンスの高さは4・8メートルから3・6メートルへ1・2メートル低くなり、本塁から右中間、左中間までの距離は116メートルから110メートルに変更となる。それだけにこれまでと比べてホームランが増加するのは間違いない。宇野氏は「今季よりも100打点以上アップできる可能性は十分ある。シーズン500得点以上を目指してほしい」と打撃陣にハッパをかけた。

 もちろんホームランが出やすくなるのは相手打線も同じ。だからこそ、これまでの守り勝つ野球から打ち勝つ野球へのモデルチェンジも求められる。そこで宇野氏がプッシュするのが超攻撃的野球への転換だ。

「これまで無死一、二塁の場面ではバントで送って一死二、三塁にするケースが多かった。自分が送りバントという作戦が好きじゃないということもあるけど、二、三塁にして犠牲フライで1点を取って終わりとなるよりもバントせずに打たせた方が大量得点につながりやすいと思う」と宇野氏は提言した。

 今季は試合終盤の1点が欲しい場面では岡林や上林にも送りバントのサインが出たケースがあったが「岡林も上林も足が速いからゲッツーになる可能性は低いし、走者がいるケースでは打たせるべき。この2人に送りバントは無用」とも言い切る。

 2020年から6年連続でチーム得点がリーグ最下位の中日。来季こそは〝強竜打線復活〟となるか――。