苦手のままでも、ペナントを落とさなければいい――。巨人は8日の阪神戦(東京ドーム)に1―4で敗れた。首位攻防戦となった伝統の一戦は、2戦を終えて1勝1敗。単独首位から阪神と勝率で並ぶ首位タイに後退し、天敵攻略とはならなかった。
一昨季から9連敗中だった相手先発の才木を前に、この日も打線は沈黙した。初回から7回まで5度も得点圏に走者を進めながら、あと一本が出ない。7回までスコアボードにはゼロが並び続け、8回にキャベッジの一発で1点を返すのがやっと。先発の西舘も6回途中4失点と踏ん張り切れず、痛恨の完敗を喫した。
橋上秀樹監督代行(60)は才木について「配球面では意外と今までとはちょっと違った感じだった。うまくかわされた感じはありましたね」と振り返った。これで今季の阪神戦は5勝8敗。優勝争いを繰り広げる宿敵相手に負け越している事実は、もちろん重い。
ただ、チーム内には別の見方もある。あるチーム関係者は「今の巨人は、落合博満監督で優勝した2010年の中日に似ている。決して派手さはないが、勝てる試合を堅実に拾っていくスタイルは重なるところがある」と指摘する。
10年の中日は539得点、521失点。得点はリーグ5位ながら、競り勝つ野球で頂点に立った。大敗する日があっても、勝つべき試合は落とさない。現在の巨人も76試合を終え、リーグ5位の229得点、232失点で得失点差はマイナス3。それでも首位にいるという異例の姿は、確かに当時の〝落合竜〟を思わせる。
前出の関係者は「当時の中日はヤクルトに8勝15敗1分けと大きく負け越していたものの『ここで負けても他に勝てばいい』と割り切って優勝につなげた。今までの巨人なら、いわゆる『捨て試合』は許されない空気があった。ただ異例の監督代行就任でしがらみのない橋上さんなら、そこはドラスチックに動けるはず。〝落合竜〟の再現もあるのでは」と期待を込める。
今季の優勝争いは、終盤までもつれ込む可能性が高い。虎に苦しめられながらも、勝てる星を確実に拾う。急きょ代役を託された指揮官が〝オレ流〟ならぬ〝橋上流〟を貫いた先に、最後の笑いはあるか。












