あの「腕組み男」が、今オフのFA市場をかき回す存在になりそうだ。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は8日(日本時間9日)、マリナーズのランディ・アロザレーナ外野手(31)に焦点を当てた。
きっかけは4日(同5日)に米ワシントン州シアトルのTモバイル・パークで行われたブルージェイズ戦。2回に9号満塁弾を放つと、ゆっくりと塁間を回る独特の本塁打パフォーマンスで視線を独占した。米人気メディア「トーキン・ベースボール」では、その走塁姿を巡って「やり過ぎではないか」との声も上がったが、ON SIはむしろ、その派手さこそがアロザレーナの魅力だと強調している。
日本のファンにも強烈な記憶を残している。2023年の第5回WBC準決勝でメキシコ代表として侍ジャパンと対戦。岡本和真内野手(30=現ブルージェイズ)の本塁打性の大飛球を左翼守備で好捕し、直後に無表情で腕を組む〝ドヤ顔ポーズ〟を決めたのはいまだ記憶に新しい。あの一幕で、アロザレーナの名前は日本でも一気に広まった。大舞台で観客を巻き込み、自分の存在を刻みつける力は今も変わらない。
今季は打率2割8分6厘、出塁率3割7分5厘、長打率4割5分1厘、9本塁打、41打点、19盗塁、OPS+137。2年連続、通算3度目のオールスター選出も決め、マリナーズで最も安定した打者の一人となっている。チームもポストシーズン争いに踏みとどまっており、現時点で「売り手」に回る空気は薄い。今夏のトレード市場で放出するより、契約最終年の今季はシアトルで最後まで勝負する可能性が高い。
ただし、その先は別問題だ。アロザレーナは球団保有権の最終年を迎えており、今オフにFAとなる見込み。しかも代理人は剛腕で知られるスコット・ボラス氏(73)だ。来年2月に32歳となるタイミングは、キャリア最後の大型契約を狙ううえで重要な分岐点となる。ボラス氏の助言を受け、より高い条件を求めて市場に出るとの見方は自然だ。
外野補強を狙う球団にとって、長打力、機動力、勝負強さ、そして華のあるキャラクターを兼ね備えたアロザレーナは魅力十分。資金力のあるドジャース、ヤンキースを筆頭に、複数球団が争奪戦に加わる可能性はある。マリナーズファンにとっては、侍ジャパン相手にもインパクトを残した腕組み男のド派手なプレーを楽しめる時間が、今季限りとなるかもしれない。












