「買い手」の看板は、補強を怠った瞬間に砂上の楼閣となる。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は8日(日本時間同日)、8月3日のトレード期限を前に、ポストシーズン進出を狙う球団の〝緊急度指数〟を分析した。地区優勝を楽観できず、ワイルドカード争いでも当落線上にいる「買い手」候補が、どこを補強しなければ秋の戦いから振り落とされるのかを洗い出したリポートだ。

 中でも日本人メジャーリーガーの所属球団には警鐘が鳴る。今永昇太投手(32)、鈴木誠也外野手(31)のカブスは、米野球データ専門サイト「FanGraphs」によるプレーオフ進出確率が70%超とされながら先発ローテーションの窮状が深刻だ。エドワード・カブレラ投手(28)、ベン・ブラウン投手(26)、ジェイムソン・タイヨン投手(34)が負傷者リスト(IL)入り。メッツからデビッド・ピーターソン投手(30)を獲得したが、同サイトは「単に進出するだけでなく、存在感を示す」には先発陣の大幅強化が必要と指摘し、救援陣の補強も課題に挙げている。

 村上宗隆内野手(26)が所属するホワイトソックスも安泰ではない。打線は強力で、FanGraphsの進出確率は40%超。だが、デービス・マーティン投手(29)とショーン・バーク投手(26)は好投を続ける一方、ともに投球回がキャリア最多ペースで、ローテーション後方は不安定なまま。ポストシーズンで先発を任せられる投手の獲得が最優先とされた。

 今井達也投手(28)のアストロズは、ア・リーグのプレーオフ争いに戻ってきたとはいえ、先発陣の足場は揺らぐ。ハンター・ブラウン投手(27)の復帰は追い風だが、マイク・バロウズ投手(26)は3A降格。今井も登板ごとの出来に波があり、同サイトは「ヒューストンほど焦りを感じている球団は少ない」とまで断じ、補強努力は先発ローテーションに集中すべきだとした。

 カージナルス、マーリンズも先発投手、ブレーブス、ヤンキース、フィリーズ、ガーディアンズは打線強化が急務とされた。残り1か月を切った期限までに穴を埋められなければ「買い手」の地位は一気にしぼみ、ワイルドカードどころかポストシーズンそのものを逃す危険がある。猶予なき補強戦線は、もう始まっている。