オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第255回は「上半身女」だ。

 上半身しかない女の妖怪である。この妖怪は、電車の中に出現する。つり革にぶら下がって出現し、つり革からつり革に、猿のようにスイスイと渡り歩いていく。明るい電車の中で自由に動く妖怪である。

 形状的には上半身のみだけでテケテケテケと音を立てながら歩いてくる「テケテケ」と酷似しているが、テケテケとは違って地面をはいつくばらない。あくまで、つり革を利用して空中を移動してくる。ひょっとすると、電車に適応した進化系のテケテケなのかもしれない。

 上半身女と同じように、道具を使う種類の妖怪が存在する。初期のテケテケ系列の妖怪の一種だと思われる「テケテケボーイ」がそれである。北海道で目撃された妖怪であり、ひょっとしたら、テケテケ系列の妖怪のルーツになった可能性もある。基本的にスケボーに乗った状態で、人前に出現する。スケボーを手でこぎながら、高速移動するのである。

 なお、上半身女の目撃者は、明るい電車の中で、この妖怪を目撃してしまい、気づいてないふりをするのに必死であったという。見えてないふりをすれば、この妖怪をやり過ごすことができるらしい。あと、電車の中に出現する妖怪・幽霊といえば、「窓ガラスに映る幽霊」などが思い浮かべられる。これは電車が走行する特定の場所に出現する幽霊であり、長期にわたって目撃されることが多い。