南極海には「ニンゲン」という人間に似た巨大な水棲生物が存在するという。また、北極海にも、このニンゲンに形状が酷似しているUMA「ヒトガタ」が生息していると言われている。
このUMAは21世紀に流布された「都市伝説系UMA」と呼ぶべき存在であり、ネットの掲示板やブログ、SNSで情報が拡散されていったUMAである。ゆえに情報に尾ヒレがつきやすく、実体に容易にたどり着くことができない。
身体的な特徴を述べておこう。鯨並みに巨大であり、体長は数十メートルに及び、人間に似た手足があることから「ニンゲン」という名前で呼ばれるようになった。顔は目と口のみであり、鼻はないとも言われている。二体が二重胎児のようにつながった個体もおり、いくつかバリエーションもあるようだ。
しかも、不気味なことに「ニンゲン」と我々人類はテレパシーでしゃべることが可能だと言われており、政府の捕鯨調査船の乗組員や日本の漁船の乗組員が何度となく南極海で目撃し、甲板にいた者は話しかけられたという。
一説には、不気味な歌声を披露することもあり、その歌声を耳にした者は精神を破壊されるとも、「ニンゲン」に魅了されるとも伝えられる。このあたり「ローレライ伝説」の影響を感じられる。
これらの目撃情報が上がってこないのは、各国政府がその存在を隠蔽しているためだと噂されており、何度となく目撃者と称する人物(もちろん、大部分がいたずらであろう)がネット上に現れるが、その後、証言を控えたり、発言が止まったりしている。
政府や学会の文書では、別名「物体X」「人型物体」とされているという。
これは以前、筆者が発表した説だが、鯨の奇形こそが「ニンゲン」の正体ではないだろうか。実を言うと、我が国の鯨の研究者が集まる学会では、南太平洋の海洋汚染により水頭症の鯨が報告されているのだ。水頭症の鯨や数々の突然変異の鯨が突如、海中から出現したらUMAとして認識してしまっても無理はない。
昨今、ブラジルやアルゼンチンの工業化が喧伝されていたが、陰でこのような弊害があったことはあまり知られていない。
「ニンゲン」に生えているとされる“手足”の問題であっても、もともと陸上で生活していた鯨は哺乳類であり、時折“先祖返り”の個体が生まれる可能性がある。つまり、手足のある鯨は生息している可能性があるのだ。
現に、和歌山県の太地町立くじらの博物館には、最近まで先祖返りの個体である“後ろ足のあるイルカ”が飼育、公開されていた。
これは余談だが、ニンゲン伝説のモデルとして、「ヱヴァンゲリオンに出てくるヒトガタの怪物アダムが元ネタではないか?」という説もあるが、関連は不明である。
ただし、ネットの“ネタUMA”という説も十分もあり得る。
金銭で雇われている2ちゃんねるの削除人(という名の盛り上げ担当)が、アクセス数を増やすために、ネタとして投下したストーリーが拡散した可能性も否定できないのだ。












