オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第253回は「蔵ばばあ」だ。
鬼のような顔をしており、蔵に住み着いている妖怪である。どういう経緯で、「蔵ばばあ」が蔵に居着いてしまったのか不明だが、蔵を守り続けている。
筆者にこの妖怪のことを伝えてくれた人物は、蔵ばばあを子供時代に目撃してしまい、ひどく恐れていたが、義理の母親が怒った顔を見て「あっ、蔵ばばあだ」と思ってしまったという。義理の母の妄想や怨念が妖怪化したのである。
蔵には、とかく妖怪が住み着くものである。蔵に不敬を働くような不届き者を懲らしめる存在であることが多い。
他に蔵に関係する妖怪といえば、「御蔵(おくら)ボッコ」もしくは「くらぼっこ」を思い出す。これは伝承妖怪の中において、「座敷わらし」と似た存在であり、亡くなった子供の霊が蔵に住み着いたものである。蔵の守り神であり、あまり姿を見せることはなく、糸車を回している。
くらぼっこが、蔵から離れてしまうと座敷わらしと同じく、家運が傾くといわれている。別名「くらわらし」とも呼ばれている。
また、蔵という文字しかかぶっていないが、「飛倉(とびくら)」という妖怪もいる。これは長年生きたコウモリが変化する妖怪であり、人間や動物に張り付いて生き血を吸ってしまうそうだ。
あと、忘れてはいけないのが「蔵坊主」である。これは非常に神経質な妖怪であり、蔵に収められている品物を出したい時に、あらかじめ「〇〇を出したい」と言わねばならない。
なお、山梨県の「お蔵坊主」は、発音する音は同じだが違う妖怪である。こちらの方は座敷わらしに近い存在であるという。
ちなみに、現代妖怪で言えば「倉庫のおじさん」が一番近い存在かもしれない。
現代では蔵がどんどん減っているので、蔵の妖怪も絶滅寸前である。












