オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第251回は「幽霊ワゴン」だ。
幽霊が運転しているワゴンである。高速道路などで、ものすごいスピードで前の車をあおってくる。さらに激しくパッシングしてくる。うっかりしていると、同乗している子供が「幽霊ワゴン」とすれ違いざまにさらわれてしまう。非常にたちの悪い車の妖怪だ。
以前にも記したことだが、移動する車と人間は融合して妖怪に進化しやすい。「タクシー幽霊」はその代表例である。これは運転手のみならず、タクシー自体が妖怪化したものであり、人間を乗せた後、昭和の領収書を残してそのまま消えてしまう。
タクシー怪談の場合、大概が乗り込んできた乗客が幽霊であることが多いが、このタクシー幽霊の場合は、運転手とタクシーが幽霊なのだ。
現代妖怪で言えば、バイクと幽霊が一体化した「首なし暴走族」が有名である。この妖怪などは、集団で現れて大騒ぎをするので大変迷惑な存在である。
さらに、公園の池に自転車ごと落下した「チャリンコ婆」などが思い出される。これはゆっくりと池の中から現れて、チャリンコをこいでいくという。
また現在でも、昭和時代までは「幽霊船」などが出没していた。他にも、戦時中に消息を絶った飛行機が空港に現れるという都市伝説もある。これは飛んでいる飛行機の姿が見えないが、音だけが聞こえると言われている。
伝承妖怪で車が妖怪化した実例としては、転がる一つの輪っかに男の顔がついた「輪入道」や、車輪が1本しかないのに自走できる「片輪車」が連想される。この妖怪などは子供をさらってしまうそうだ。幽霊ワゴンが子供をさらうのも、この影響かもしれない。












