フェンシング女子サーブルで昨夏のパリ五輪団体銅メダルの江村美咲(26=立飛ホールディングス)が、五輪後のシーズンの苦悩から立ち直るきっかけを与えてくれた〝恩人〟を明かした。

 パリ五輪後はオフを挟み、2024―25シーズンに臨んだ。個人3連覇を懸けた7月の世界選手権では3回戦敗退となったが、国際フェンシング連盟ランキングで年間王者に輝いた。

 しかし、30日のイベント後に本紙の取材に応じた江村は「シーズン後半につれて早い段階で疲労の蓄積を感じ、後半は戦績だけ見たらペルーのW杯(5月)も、アジア選手権(6月、インドネシア)も優勝したが、そのあたりから『やりたくないな』という気持ちもあった。世界選手権が大事だからそれだけ頑張ろう、あとは気楽にやろうと思ったが、(結果は)その逆だったのでモチベーションが難しくなった」と告白した。

 さらに「(団体で)年齢的にも上がいなくなり、自分が柱になっていく中で今までとは環境も変わり、新たな気づきや課題もどんどん出てきた」。最年長としてチーム内の役割も増え、自身の立場も大きく変わった年だった。

 そんな中、卓球女子で五輪3大会連続メダルの石川佳純さん(32)の存在が灯りをともした。スポーツ誌「Number」の企画で対談した際に「同じくらいの年で、自分もそうだったよ」と共感の言葉をかけられ、気持ちが楽になった。さらにシーズン終盤で疲労が蓄積する中で「『卓球は結構それぞれ自分でやりたいメニューを組んで、量も調節してるよ』とお話もいただいた」と練習量に関するアドバイスももらった。

〝金言〟を受けて「今は新しいシーズンが始まる時期。コーチとも相談して練習の内容と量を少し見直してみようかなとも思っている。今は新しくやってみたいこともあるので、五輪ほどのモチベーションはなかなか難しいが、そこに向け、準備の段階としてはいい時期かなとは思っている」。葛藤を乗り越えて28年ロサンゼルス五輪へ新たなスタートを切る。