日本ハムの新庄剛志監督(53)の深謀遠慮とは――。23日、本拠地最終戦(エスコン)で楽天に0―7とまさかの大敗も、指揮官は試合後のセレモニーで予定外の「マイクパフォ」を披露した。ナインだけでなく、球団関係者すら度肝を抜いたサプライズ。その背景には指揮官の秘めた思いが隠されていたようだ。

 誰も予想できないまさかの行動だった。逆転でのリーグ優勝どころか楽天に大惨敗。首位ソフトバンクとのゲーム差を縮める最大のチャンスを生かせなかった。

 重い空気で迎えたセレモニーで、ナインがグラウンドに整列すると新庄監督はおもむろに球団関係者からマイクを〝強奪〟。そのままナインを引き連れ場内一周を始めたのだ。「みなさん、一年間温かいご声援ありがとうございました。なんとファイターズは(今日)負けてしまいましたけど喜んでいいものか…ソフトバンクも負けました」と絶叫。続けて「僕たちは1ミリも(リーグ優勝を)諦めていません。僕たちが3連勝してソフトバンクが3連敗したら…逆転で1位になります」とファンに向け最後まで逆転Vを諦めないことを誓った。

 当初の計画ではグラウンドに首脳陣、ナイン全員が整列。松本剛選手会長があいさつする予定だった。それを新庄監督が全てひっくり返したのは逆転優勝に向けた並々ならぬ思いからだ。

 ただのセレモニーではナインの沈滞ムードは変わらない。しかもチームは2試合連続零封負けと最悪の状態に陥った。自らのマイクパフォで球場の重い空気を一変させたかったという。

「まあそれが僕の仕事でもありますからね」。セレモニー後、新庄監督は素直に思いを口にしたがさらなる思惑がある。悲願のリーグ優勝を果たさなければ10月に控えるCSで昨季の二の舞いとなるという。昨季はファーストでロッテを2勝1敗で下したが、敵地でのファイナル(対ソフトバンク)では1勝もできず3連敗で敗退した。

 指揮官としては同じ轍(てつ)は踏みたくない。加えて現在チームは清宮幸、野村、万波らを中心とした打線がやや低迷気味で、少しでもナインの状態を上げる時間があった方がいい。「優勝してのCSがいいですね。2位からCS出ての勝ち上がりはテンション下がるんで。もちろんそうなった場合はファンのために日本一を目指しますけど…。清宮君、万波君、野村君にしても何かきっかけにして爆発してほしいですからね」(新庄監督)

 常に先を見据え準備に余念がない指揮官。今回の突然の「マイクパフォ」で奇跡を起こせるか。日本ハムの残り6試合にさらなる注目が集まる。