パ2位の日本ハムは15日の西武戦(エスコン)に12―5で劇勝。6回に打者一巡の猛攻で一気に7点を挙げ、逆転した。

 試合前には不穏な情報ももたらされていた。14日の同戦で走塁中に右足を痛めた今川優馬外野手(28)が、右太もも裏の筋損傷と診断されて一軍登録を抹消。球団によれば試合復帰まで約4週間の見通しで、今季中の復帰は絶望的となった。

 今川は「執念」がキャッチフレーズの5年目外野手で、今月9日に昇格すると、全5試合に先発出場して打率4割4分4厘、2本塁打、5打点と大爆発。〝絶好調男〟を欠き、ソフトバンクとのシ烈な優勝争いに暗い影を落としかねなかったが、新庄剛志監督(53)が「起こってしまったことはもう仕方ない」と語ったように球団周辺に焦りはなかった。この日、今川の代役で緊急昇格し、2号3ランを含む5打数2安打と大暴れした浅間大基外野手(29)が〝ラッキーボーイ〟としても期待できるからだ。

 打撃不振で6月中旬から二軍暮らしを強いられ、48試合で打率3割3分3厘、5本塁打、24打点と結果を残してきたが、それ以上に周囲は「鋼のメンタル」と「勝負強さ」に着目している。

 浅間は高校野球の名門・横浜出身とあって、大舞台にはめっぽう強い。昨年のロッテとのCSファーストステージ第2戦では、同点の延長10回にサヨナラ打を放つなど、ファイナル進出に大きく貢献した。緊迫した場面になるほど力を発揮するタイプだけに、シーズン最終盤で最も頼れる存在になる可能性が高い。

 チーム関係者の一人も「好調だった優馬の離脱は痛いですが、ポストシーズンを考えれば大基がベンチにいる方が相手は嫌なはず。これまで二軍で悔しい思いをしてきた分、大基ももう一度奮起して試合に出たいでしょうから。逆転優勝に向け大基がカギになるかもしれませんね」と明かす。

 浅間本人は試合後に「(今川と)ロッカーで会ったので『何してんだよ』っていうのは言ったんですけど。でも(今川から)『しっかり頑張って』という言葉を受け取ったので。ケガして離脱するしんどさは僕も分かっている。その気持ちはしっかりもらって頑張りたいと思います」と誓った。残り12試合で浅間が奇跡を呼ぶかもしれない。