ドジャース・大谷翔平投手(31)の戦いぶりが、米スポーツ専門局「ESPN」で〝ゴッドファーザー〟に例えられ、米国内で大きな話題を呼んでいる。フランシス・フォード・コッポラ監督がメガホンを取ったアル・パチーノ主演の名作映画のように、シーズンを重ねても衰えず常に最高の舞台で期待に応え続ける姿は、もはや「野球界のゴッドファーザー」との異名にふさわしい。地区首位をめぐる激闘の中でも、大谷は本塁打王争いとMVPレースをけん引し、まさに〝覇権争いの主役〟を演じている。

 8月31日(日本時間9月1日)に放送された同局の番組「スポーツセンター」で敏腕記者としても名高いバスター・オルニー氏が次のように語った言葉が注目を集めている。

「ショウヘイ・オオタニは映画で言えば、ゴッドファーザー・シリーズみたいなもの。毎年、毎回のごとく期待に応えてくれる。今、彼はキャリア4度目のMVPに手が届きそうな勢いだ」

 さらにオルニー氏は「言うなれば、彼の多才さは私にとって『ゴッドファーザー2』のような存在」と続け、シリーズの名作に例えるほどの普遍的な輝きを強調。ちなみに同作は名優ロバート・デ・ニーロ(1作目はマーロン・ブランド)が演じるドン・ヴィトー・コルレオーネの跡を継ぎ、裏社会マフィアのボスとなったアル・パチーノ扮するマイケル・コルレオーネの生きざまを描いている。

 ここまで大谷は打率2割7分6厘、45本塁打、85打点。今季すでに11度にわたって先発マウンドにも立ち、二刀流としての存在感も示している。数字の上でもMVP最有力候補であり、〝ゴッドファーザー〟呼ばわりも決して誇張ではない。

 ハリウッド映画の最高傑作と語り継がれる「ゴッドファーザー」に例えられるほど、今やMLB内における大谷の存在感は確かに強大になった。しかし、かつてのMLBでは二刀流に対し「両立は不可能」との声が大半を占めていたのも事実。元MLBオールスター選手でアストロズ、ブレーブスなどで活躍し、投手・打者双方に実績を残したマイク・ハンプトン氏(52)も、その1人だ。

 引退後に指導者も務めた同氏は先月26日(同27日)のポッドキャスト番組に出演し「オオタニが私の考えが間違っていたことを証明してくれた」と明言。二刀流を長期的に成立させた大谷の功績が、球界OBの価値観すら変えたことを物語っている。

 チームは現在、パドレスとシ烈な地区首位争いを展開中。借金を抱える他球団とは一線を画し、ドジャースは首位の座を守り続けている。個人成績では、フィリーズのカイル・シュワバー外野手(32)が1試合4ホーマーを放ち、ナ・リーグ単独トップの49本塁打に到達。同2位・大谷との差は4本に広がった。それでも依然2位をキープし、打点でもリーグ10位以内に入り込むなど、タイトル争いの中心に居座っている。

 チームが激戦を勝ち抜く中で大谷は主砲として、そして投手としても頼られる存在。リーグMVP争いも二刀流の活躍から判断すれば「2年連続受賞は確実」と目されている。チームと個人の覇権争いを二重に背負う姿は、確かに映画「ゴッドファーザー」が描く権力の攻防に重なる。

 ESPNの比喩は米国内で広く報じられ、SNS上でも「大谷はMLBのアル・パチーノだ」「ショウヘイは映画『ゴッドファーザー』に匹敵する人気ぶり、コルレオーネのような求心力を誇っている」といった声が相次いでいる。球史に残る名演と呼ぶべき大谷のパフォーマンスは、今季もまた観客をひきつけてやまない。

 残りシーズン、地区首位をめぐる攻防、本塁打王争い、そして4度目のMVP受賞へ――。すべての戦いの中心に立つ大谷の姿は〝ゴッドファーザー〟のごとく威光を放ち続けている。