女子プロレス「マーベラス」の生え抜き1期生として旗揚げから団体を支えてきた桃野美桜(27)。身長149センチと小柄ながら、圧倒的なスタミナとスピードで存在感を放ち、5度の手術と長期欠場を乗り越えてリングに立ち続けてきた。師匠・長与千種や先輩・彩羽匠の教えを胸に〝生粋の負けず嫌い〟として挑み続ける彼女が9月6日に西鉄ホールで開催される福岡大会を前に、その素顔と決意を語った。
――プロレスラーを目指すきっかけは
桃野 16歳の時、たまたまテレビで豊田真奈美さんの技の特集を見た。飛んだり跳ねたりする姿に「何これ、面白い」と思い、すぐ動画を探したら昭和の全日本女子プロレスの流血試合が出てきてハマってしまって。その直後に地元の千葉で開催された女子プロレスを見に行ったら〝ピカーン〟って神が降臨して「これだ!」と思って。高校1年だったけど、すぐに学校を辞めてプロレスの世界に入った。
――身長149センチと小柄で苦労したことは
桃野 全然ない。自分を小さいと思って試合をしたことがない。むしろ小さいからこそできることが多い。
――得意技は
桃野 JKボム。技名だけでは伝わらないので「人の心をつかむこと」と答えてます(笑い)。私はパワーファイターではないけど、誰にも負けないスタミナとスピードには自信がある。
――彩羽匠の印象は
桃野 私はマーベラスの生え抜き1期生1号だけど、匠さんは他団体から移籍してきて、KAORUさんと一緒に最初に基礎を教えてくれた。やっぱり強い人は優しい。
――タッグを組んで学んだことは
桃野 私はずっとシングルの方が合っていると思っていたけど、今は「ボブボブモモバナナ」というタッグを別団体の後輩(センダイガールズプロレスリング所属の岡優里佳)と組んでいて、その子から学ぶことがめちゃくちゃ多い。自我の強い私が「この子のために」と人のために動けるようになった。プロレスの奥深さを実感した。
――2月から欠場して復帰したばかり
桃野 これまで手術を5回して大きな欠場を5回した。最近はヒジを痛めてしまって…。正直、もう辞めたいと思ったことも多くて、私いなくてもいいじゃんみたいに自暴自棄になったこともあった。でも「1人じゃない、みんながいる」と思えた。スタッフ、仲間、応援してくれる人が待っていてくれて帰る場所があることに感謝です。
――彩羽先輩とのエピソードは
桃野 欠場中に寮の隣にある練習場の音を聞くのがつらくて、スタッフの家に泊まりに行ったら、もう寮に帰りたくなくなっちゃって…。その時、めったに怒らない匠さんに思いっ切りビンタされ「後輩もいるんだからしっかりしろ!」って言われて、抱きしめてくれた。そんなドラマみたいなことがあって、体を張って示してくれたことでハッとなって立ち直れました。
――一般社会では完全アウトだけど…
桃野 そうですね。だからホント、プロレスって最高ですね(笑い)。
――師匠・長与千種からの思い出の言葉は
桃野 他団体に入団するか、マーベラスかで迷っていた時に「どこに入っても構わないけど、あなたがデビューしてくれた時に心からありがとうって思うよ」と言われた。女子プロレス全体を見てくれていると感じ、この人についていこうと決心できた。その言葉は今でも忘れられないです。
――長与イズムをしっかり受け継いだ
桃野 結局、プロレスも技とかじゃなくて、人となりが出る職業。だから薄っぺらいことしてると薄っぺらいプロレスしかできない。私はリングではウソをつきたくないから、ちゃんとウソのないレスリングをお客さんに伝えたいので、そういう後輩もどんどん育てていきたい。
――他団体で戦いたい選手は
桃野 スターダムの葉月選手。引退中に1日限定でタッグで試合したけど、その後に復帰されたので、今度はシングルでやりたい。DASH・チサコさんともハードコアで戦いたい。
――忘れられない試合は
桃野 4年前の大田区体育館でのセンダイガールズとの対抗戦。匠さん不在の中で「ナメられてたまるか」と必死に戦い抜いたこと。負けたけど、今の自分につながる試合となった。
――試合以外でのリラックス方法は
桃野 犬を3匹飼っていて、すりすりしたり肉球のにおいをかぐのが癒やしです。
――16歳の時の自分に今ならどんな言葉を
桃野 「あなたは天職に就きました。その道を選んで正解だよ。人生の全てをプロレスがちゃんと教えてくれるから安心して」と(笑い)。
――将来の夢を
桃野 100歳までプロレスラーを続けたい。
――桃野美桜を一言で表すと
桃野 生粋の負けず嫌い。マーベラス=長与さんでも匠さんでもなく、桃野美桜は揺るがない存在です!















