阪神は24日のヤクルト戦(神宮)に8―1で大勝し、優勝マジックを「16」に減らした。主砲・佐藤輝明内野手(26)は9試合ぶりとなる32号ソロを含む4打数2安打、2打点の活躍。直近7戦で28打数2安打、ノーアーチだったが、本格復調への号砲となるのか…。本紙評論家・伊勢孝夫氏がこの日の背番号8を〝徹底解剖〟した。

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】打撃のタイミングってのはな「いち…にい…さん!」で打ちにいくのが基本なんやけど、ここ数試合の佐藤輝は「いち……にさん!」だったんよ。この日の初回の第1打席も、まさにそんな感じで見逃し三振。ああ、こら最悪なままやな。まだまだアカンなと思ったよ。

 ところが、4回の2打席目や。初球に投じられたのは外側から真ん中に甘く入ってくるスライダー。これはある意味、バッターとしては一番捉えやすいボールなんやけど、見逃すことなくスタンドに運んだな。この一発がどう佐藤輝の心身に作用するのか? そんな思いで俺がこの日、最も注目したのが6回の第3打席や。

 結果としてはカウント1―0からインハイ直球にバットを出して左飛に終わったわけやけど、ここまでの不振期間中にはバットに当てることすらできなかったコースの球を、前に飛ばすことができていた。ああ、あの手のバッターは一本出れば、ホンマに変わるもんなんやなと思ったよ。

 7回の第4打席は一死二塁から申告敬遠。カウントが3―0までいったこともあるけど、ヤクルトバッテリーが警戒感を強めていたことは伝わってきた。8回二死二塁の第5打席では右前への適時打。まあ、これは相手投手の石原がグロッギー状態になってたからな。評論するのは難しいわ(笑い)。

 次は26日からDeNAとの3連戦(横浜)か。ここから調子は上向いていくと思うよ。好打者の条件の一つとして「不振期間をできるだけ短く終わらせること」が挙げられるけど、そのへんも含めて注目やな。

 最後にもう一点触れておきたいのは、5打数無安打4三振に終わった前日23日のカード第2戦についてやな。相手先発左腕・山野にどう対峙するか注目していたんやけど、第1打席ではオープン気味に構えていた佐藤輝のスタンスが、第2打席ではスクエアに変更されていた。いろいろ工夫して考えながら打席に入っていることは伝わってきたよ。(本紙評論家)