第107回全国高校野球選手権大会第15日(23日)の決勝戦は沖縄尚学が日大三(西東京)を3―1で下し、悲願の初優勝を飾った。沖縄県勢が夏大会を制したのは15年ぶりとなったが、この快挙の陰には、比嘉監督のとある〝特殊能力〟があった。
沖縄の高校球児を悩ませるのが同地特有の天候だ。島を囲む暖かな海の影響で雨雲が発生しやすく、天気は急変しやすい。沖縄尚学では選手と監督が前日に翌日の練習メニューを相談して決めているが、天気予報が外れやすく対応に苦慮することも少なくないという。
そんな中、選手たちが信頼を寄せるのが、比嘉監督の〝天気予報〟だ。あるナインは「監督に『雨が降りそうだから片付けろ』って言われて、そうすると本当に大雨が来るんです。感じ取る力があるのかな」と語る。打撃練習中に「ネットを下げろ」という指示が飛び、直後に雨が降り始めたこともあったという。監督の〝予報〟のおかげで、選手たちは雨にぬれる前に動くことができ、練習を円滑に進行してきた。まさに、〝人間雨雲レーダー〟である。
さらに田淵(3年)は困惑気味にこう語る。「自分たちがプレーでミスをして監督の機嫌が悪くなると、天気もどんどん悪くなるんです…。天気を操ってるんじゃないかって」。まさかの雷神説まで浮上するほどただならぬオーラをまとう比嘉監督だが〝予知力〟は天候にとどまらない。
県大会準々決勝まで無安打だった真喜志(3年)について、準決勝前日のミーティングで「真喜志はこういう大事な場面で打つ」と断言。その翌日、真喜志は言葉通りに逆転タイムリーを放った。さらに今春センバツで横浜(神奈川)に敗れた直後に「お前らは全国で戦える」と言い切ると、その言葉は現実となり、チームは見事に日本一の座に上り詰めた。監督の不思議な力はもはや〝偶然〟とは言いがたい。
今大会で沖縄尚学を頂点へと導いた二枚看板の投手陣はいずれも2年生。甲子園での挑戦はまだあと2回残されている。比嘉監督には、この先に一体何が〝視えて〟いるのだろうか。













