第107回全国高校野球選手権大会第15日(23日)の決勝戦は沖縄尚学が3―1と日大三(西東京)を下して初優勝を果たした。沖縄県勢が夏大会を制したのは2010年の興南以来、15年ぶりとなった。

 マウンドにエース・末吉(2年)を中心にした歓喜の輪ができた。悲願の日本一を達成したナインが思いきり人差し指を天に向かって掲げた。2点差で迎えた9回、一死一、三塁のピンチ。代打・永野(3年)に対して渾身のスライダーを投げ込み、併殺打に仕留めて激戦に終止符を打った。

「最後の長い夏に目標としていた先輩方と一緒に夏の頂点を取ることができてうれしい気持ちでいっぱい。こういう自分に繋いでくれた。疲労もかなりピークに来てるところで点を取られない投球ができた。決勝の舞台にワクワクしてマウンドに行きました」(末吉)。最後も2年生コンビのリレー。先発の新垣有が8回二死まで6安打1失点の好投を見せると、満を持して末吉にスイッチ。「任せろよ」と一声かけてマウンドに向かい、後続を絶った。

 1―1で迎えた6回、二死二塁から4番・宜野座(3年)の値千金の左前打で勝ち越すと、背番号「1」と「10」で守り切った。ライバルであり、なんでも言い合える仲。登板後にはお互いのよかった点、改善点を遠慮なく言い合い、褒め倒すこともある。この関係性が屋台骨となる投手力を支え、チームを成長させてきた。新垣有も「甲子園に来て自信がついた。さらに2年生ピッチャー陣で頑張っていきたい。末吉は頼れるエースです」と信頼は厚い。

 沸きあがる大声援に比嘉監督は「生徒の頑張りに尽きる。沖縄から大勢の方が応援を送ってくれて選手の力を引き出してくれた。新垣が状態がよかったのでよく8回まで投げてくれた。初戦の金足農業さんとの厳しい試合(1―0)をモノにしてことが甲子園での自信を深めたんじゃないかと思います」と応え、一方で「なんか不思議な感じ。まさかというか、狙ってたわけでもないので、うれしいというか、とにかく不思議。終わっても明日もあるんじゃないか、という感じ。生徒がうれし泣きしているのを見ると込み上げてくるものはありました」と例えようのない感情を口にしていた。