パ2位の日本ハムが〝ラストウェポン〟の活用に意欲をのぞかせている。22日、エスコンフィールドで行われた首位・ソフトバンクとの「天王山第1ラウンド」に4―3で勝利。相手のマジック点灯を阻止し、ゲーム差も2・5に縮めた。2点を先取されながらも相手に食らいつき、最後は万波中正外野手(25)の32打席ぶりとなる19号決勝ソロで接戦を制した。同カード残り2戦では鷹粉砕に向け、奥の手として「エスコン屋根開放」も検討され始めているという。その意図とは――。

 北の大地が大きく沸いた。価値ある勝利には、試合後の新庄剛志監督(53)も「ワクワクする試合をさせてくれてるのはソフトバンクさんなんで。きっちり明日、明後日も勝たせてもらってね」と笑みを浮かべながらコメント。そして「さらにデッドヒートをファンのみんなに見せられたら」とも続けた。

 首位を走る宿敵相手にカード頭で先勝。確かにチームにとっては大きいが、それでも23日からの直接対決2試合を落とせば再び差を広げられる。その意味では今後2試合のうち1試合は是が非でも勝利を奪いたい。

 そこでチーム周辺では「とにかくホークスに勝つためには〝アレ〟をうまく使うべきでは」との声がひそかに飛び交い始めている。周囲が「アレ」とささやくのは、エスコン名物とも言われる「可動式屋根」のことだ。

 従来、本拠地でのナイターは屋根を閉めて試合が行われる。だがデーゲームや好天の日は屋根を開放することも少なくない。その判断は球団側に委ねられているため「チームに有利になるよう、屋根の開放を柔軟に行うべき」という声が高まっているのだ。

 しかも23日の同カード2戦目、24日の同3戦目ともに14時開始のデーゲーム。〝地の利〟を有効に生かすべきという提言は、自然の流れだろう。

 なぜ屋根を開けると日本ハム側に有利になるのか。理由は外部からグラウンド内に吹き込む風の影響が大きい。

 エスコンの屋根開放時には通常、球場上部からホームベース方向に向けて強風が吹き込む。こうなると打者は逆風をモロに受け、本塁打が出にくくなる。必然的に山川、近藤ら長距離砲が並ぶソフトバンクに対しては「自然の武器」となる可能性が高いのだ。

 実際、7月30日に屋根が開いた状態で行われたエスコンでのナイター・ソフトバンク戦では打者・近藤の完璧に捉えた右翼への当たりが強風に押し戻され急失速。まさかの右飛に終わった。この一打には新庄監督も同日試合後、驚いた表情で「近藤君の当たり(右飛)は屋根が閉まっていたら完璧に(右翼席に)行ってましたね」。5―4で勝利したことで「屋根開放」を1点差ゲームの勝因に挙げたほどだった。

 また屋根を開放すれば、常時強風が吹き荒れ、特に外野守備陣は丁寧な打球対応が強いられる。両軍にとって条件は同じだが、日本ハムは屋根開放時の練習を日頃から頻繁に行っている。さまざまな面でアドバンテージになる公算が大きい。

 今カード負け越しとなれば、悲願のリーグ優勝は遠のく。なりふり構ってはいられないだけに、今後は球団側の屋根開閉の「判断」にも注目が集まりそうだ。