獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」を総括する。出場20選手による最高峰リーグ戦は、KONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介=30)がEVILとの優勝決定戦(17日、有明アリーナ)を制して初優勝を飾った。ライガーは竹下の実力を称賛する一方で、ハウス・オブ・トーチャーによるセコンド介入が横行したリーグ戦に一石を投じた。

【ライガーが語る獣神激論(47)】

 今年のG1は竹下選手の優勝で幕を閉じました。彼はDDTでデビューして、米国のAEWに行って、今年から新日本の所属にもなったと。5月には結婚を公表したり、話題だらけだなと思うけど、頂点を極めたのはひとえに彼の努力だよね。

 今年のはじめにクリス・ジェリコのジェリコクルーズに参加させてもらったんだけど、その時に竹下選手もいて。彼の奥さま(坂崎ユカ)とウチのカミさんと4人で食事しながら話をしたんだけど、プロレスに対してしっかりした考えを持っていた。一本芯が通ってて、自分がどう行動するべきか、よく考えてるよね。

 新世代で言うと海野(翔太)選手や辻(陽太)選手が来るかな、なんて思ってたんですよ。その中で頭一つ突き抜けたのが竹下選手だった。結果的に決勝に上がったのもEVIL選手だったし、ここに来て少し失速してしまったように見えるボルチン・オレッグ選手も含めて、生え抜きの新世代には「しっかりせえよ!」と言いたいね。

場外で竹下を袋叩きにするハウス・オブ・トーチャー
場外で竹下を袋叩きにするハウス・オブ・トーチャー

 そのEVIL選手に関してだけど、G1の決勝戦の舞台にまで介入があるっていうのは、僕は個人的には本当に解せないんですよ。タイガー・ジェット・シンだってあれだけ凶器使ってても、マジメな時はクリーンファイトがあったじゃないですか。新日本の選手であれば、G1の重みは分かってくれてるはずなんですよね。これが一番僕は引っかかった。

 だから竹下君がハウス・オブ・トーチャーの介入や反則を振り切って優勝してくれたのを見て、彼がトップならそれはそれでいいんじゃないかと思えたんです。生え抜きにこだわる必要はないとも思うし。こうなってくると、その選手の考え方、プロレスへの接し方が新日本的かどうなのか、という見方をしてもいいのかなと。いくらEVIL選手が生え抜きでも、僕はG1の決勝で反則があるのは許せないんです。

 だってG1だよ? 今のファンの方からしたら「ライガー、古いこといつまでも言ってるんじゃないよ」と言われるかもしれないけど、EVIL選手だって実力はピカイチなんだから。優勝できるんだから、彼一人でも。それで勝って喜べるの?って。決勝戦ではEVILコールが起きたとも言うけど、う~ん…ちょっと世代の差なのかな、俺が石頭すぎるのかな。

 他のスポーツでレフェリーに手を出すとか、絶対に許されないでしょ? それがプロレスの面白いところと言うのは、それはそれでいいんですけど、G1でそれアリかい?って思うわけ。ファンの皆さまは忘れてるのかもしれないけど、去年の6月に会社が会見を開いて「乱入や介入の阻止」を掲げたのは結局どうなったの? 今回のEVIL選手に何かペナルティーはあるの?って聞きたい。

 少し厳しいことを言ったけど、竹下選手は米国と日本を行ったり来たりしてるし、その努力が実ってトップを取ったのは素晴らしいことですよ。本当に心からおめでとうと言いたいし、奥さまと幸せになってほしいですね。